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京都水無月大賞も楽しいかも。

酒飲み書店員大賞といい、世の中にはいろんな賞があるもんで。
マイブームの著者の作品をいろいろ調べているうちに、
京都水無月大賞なるものがあることを知りました。
水無月なんてとっくに過ぎてしまいましたがご紹介。

京都水無月大賞は2008(平成20)年に始まった模様。
京都府下に店舗を持つ書店の書店員さんが参加資格を有し、
参加の表明として文庫本を1冊推薦します。
参加者は推薦された作品をすべて読んだうえで順位をつけて投票。

私のわりとお気に入りに大崎梢という作家がいます。
書店の勤務経験がある彼女は、書店を舞台にした爽やかミステリーも著作にあり。
“成風堂書店事件メモシリーズ”と“出版社営業・井辻智紀の業務日誌シリーズ”がそれ。
前者の最新刊『ようこそ授賞式の夕べに』は後者とのコラボで、
両者の登場人物オールキャストでお送りしますという感じ。
で、ちょうどここに出てくる賞が京都水無月大賞の審査方法と似ていました。

審査方法は似ているけれど、京都水無月大賞がそれと異なって面白いのは、
書店の棚で埋もれている文庫本のうち、
好きな本、もっと売りたい本を選ぶというという点。
だから、いわゆる新刊本は無し、すでに売れっ子といえる作家は対象外。
大手5社(新潮・文春・講談社・角川・集英社)の注文書SやAランクを除き、
そのうえで、絶版が近くて入手しにくい本は駄目なのです。
売れっ子かどうかの定義は難しいところかと思いますが、
「掘り出し本を売ろう」という企画は面白いじゃないですか。

受賞作を見てみれば、どうやら私が好きそうな作家が多い。
2011年の大賞ではないけれど2位にランクインしたのは
すでにマイブーム驀進中、三羽省吾の『厭世フレーバー』で、
2014年には『公園で逢いましょう』が大賞を受賞。
公園につどう、さまざまなタイプのママ友が語る連作になっていて、
ちくちくしながらも温かいまなざしが感じられて好きでした。

2011年の4位だった紺野キリフキの『ツクツク図書館』もこのあいだ読んだばかり。
つまらない本しか置いていない図書館の話は摩訶不思議。
ここに就職すれば仕事はただひたすらそのつまらない本を読むこと。
本を読むことができる猫の登場にニヤリ。

2015年の大賞は吉田篤弘の『それからはスープのことばかり考えて暮らした』で、
これは「映画館が出てくる本」に書いたところ。

2014年のノミネート作品のひとつ、石井睦美の『キャベツ』は、
中学生のときに父親を亡くした主人公(♂)が、働きに出ることになった母親に代わり、
母と妹のために毎日の食事をつくります。優しさにあふれた佳作でした。
同年に笹生陽子の『きのう、火星に行った。』もノミネートされていて、
ほかにも多数、以前読んだ本がランクインしていたものですから、
なんだ、棚に埋もれている本ばかりじゃないよと思ったり。

掘り出し本ゆえ、前年ノミネートにとどまった作品が
翌年に大賞を取ることもあるみたい。
とにかくこの本を売りたいんだという心意気が見えます。

酒飲み書店員大賞と同じく、ノミネート&受賞作一覧がない!
全部読みたいから、見やすい一覧ページの作成希望。
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