『王様のためのホログラム』(原題:A Hologram for the King)
監督:トム・ティクヴァ
出演:トム・ハンクス,アレクサンダー・ブラック,サリタ・チョウドリー,
シセ・バベット・クヌッセン,ベン・ウィショー,トム・スケリット他
大阪ステーションシティシネマで3本ハシゴした翌日の日曜日。
この日もダンナは当然出張中だから、映画三昧してもよかったけれど、
ぶっ倒れてちょっと懲りています(笑)。
いっぱい観たら観ただけこうしてブログに書かなきゃいけないし、
TSUTAYA DISCASでレンタルしているDVDも観なあかんし、本も読みたいし。
月曜日からの1週間に体力を温存すべく、日曜日は109シネマズ箕面にてこれ1本だけ。
原作はデイヴ・エガーズの同名ベストセラーで、本が出版されてわずか2日後に、
トム・ティクヴァ監督は原作者に映画化を申し入れたのだそうです。
もともと好きな監督で、これを観て私はやはり好きだと再確認。
大手自転車メーカーの取締役を解任されたアラン・クレイは、家も車も差し押さえられ、
妻には愛想を尽かされて、大学生の娘キティを育てなければならなくなる。
理解あるキティは、生活費を稼ぐために大学を休学、ウェイトレスとして家計を助ける。
娘になんとか復学してほしいアランは、IT業界に転身、再就職を果たす。
そんなアランに課せられた仕事は、サウジアラビアの国王にITシステムを売り込むこと。
国王の甥と何十年も前に会ったことがあるというだけで、そんなミッションが。
最先端技術の3Dホログラムによって会議ができますと国王にプレゼンするはめに。
スタッフ3人を先に現地に送り込み、後日アランはサウジアラビアへ到着。
翌朝、国王に面会に行くはずが、あまりの疲労に寝坊する。
慌てて電話すると、先方は落ち着きはらい、寝坊は何の問題もないという。
バスに乗り遅れたので、ホテル経由でタクシーを呼ぶと、
ドライバー兼ガイド兼ヒーローだというお調子者のヨセフが登場。
なんとか国王がいるはずの建物へと到達するが、国王は留守。
国王の右腕となっている部下も不在で、どうにもならない。
先に現地入りしたスタッフたちが放り込まれているのはテント。
Wi-Fiも整っておらず、近くに食事を摂れる場所もなく、空調の効きもイマイチ。
聞くところによれば、ここ1年半、国王の姿を見た者はいないらしく、
いったい誰を相手にプレゼンをしろというのか。
上司からは進捗具合を尋ねる電話が頻繁にかかり、
おまけに背中に妙なこぶができている。悪性の腫瘍だったらどうしよう。
気の休まることがないアランは途方にくれて……。
数年前までは年間の半分ほどタイに出張していたダンナがよく言っていました。
タイ人と朝10時に約束して、相手が10時に来ることはない。
午前中に来れば「約束を守った」。その日のうちに来ればまぁいいほう。
その週のうちに来れば「約束を覚えていた」。
雨が降れば仕事に来ないような国民性の人と仕事をするのはたいへん。
日本人の定規に当てはめて彼らと仕事しようとするとストレスだらけ。
彼らのことをちゃんとわかるまでは相当きつかったようです。
私から見れば、彼らと仕事をして、終業後もというのは辛そうだけど、
日本人とつるむのが好きじゃないダンナは、晩ごはんも休日もタイ人と一緒。
おかげで出張中の土曜日も日曜日もどこかに連れ出されているみたい。
しかもタイ人は「明日何時ね」と迎えにくる時間だけ言い残し、
どこに連れて行ってくれるのかはまったく情報がないそうな。
ものすごくラフな格好で迎えを待って出かけたら、
誰ぞの結婚式だったということもあったそうで、唖然としていました。
映画の話から離れてしまいましたが、本作を観ると、
海外出張や駐在で世界中にいる日本人にエールを送りたくなります。
自動車専用道路の出口が「ムスリム」と「非ムスリム」に分けられているのも衝撃的。
砂漠を走るのにシカゴの曲は似合わない。ELOのほうが合うみたい(笑)。
このトム・ハンクス、いいですよ。
アランとヨセフの掛け合いも傑作です。
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