『長安のライチ』(原題:長安的荔枝)
監督:ダー・ポン
出演:ダー・ポン,バイ・コー,ジュアン・ダーフェイ,テレンス・ラウ,チャン・ユエン,ヤン・ミー,チャン・ルオユン,アンディ・ラウ他
イオンシネマ茨木にて、前述の『ウォーフェア 戦地最前線』の次に。監督が『熱烈』(2023)のダー・ポンであることと、テレンス・ラウが出演していることに惹かれて観に行きました。観終わってから知る、えっ、主演も監督ご本人だったの!? 私としてはテレンス・ラウみたいなイケメンが主人公のほうが嬉しいのは嬉しいけれど、本作の主人公にイケメンは似合わない。監督こそこの役にピッタリの風貌。原作は中国の人気作家マー・ボーヨンの同名小説なのだそうです。
中国、唐代。算術が得意な李善徳(ダー・ポン)は算学家として官僚となる夢を果たすが、愚直なまでの人柄ゆえに不正を絶対に許さない。そのせいで周囲から疎まれていることに本人は気づかず。難儀な仕事はすべて押しつけられ、出世することもなく、下級官吏として勤めて18年。
あるとき、楊貴妃の誕生日に間に合うよう、長安の遥か南方の嶺南から生のライチを取り寄せるように皇帝が命じる。ライチの賞味期限は非常に短いことが知られており、長安から嶺南までの道のりは2週間は見なくてはならないのだから、新鮮なまま持ち帰るなど無理に決まっている。しかし皇帝に向かって無理だとは言えず、皆が考えたのはこの任務を李善徳に引き受けさせること。皆からおだてられてまんざらでもない李善徳は、蜜漬けのライチを運べばいいのだと信じ込まされて書状に署名してしまう。その後、生のライチであると知らされて愕然。
断ることは許されず、ライチを運べずに死罪をなるのは確実。だが、どうせならやれるだけのことはやってどこまで成功に近づけるのかは試したい。覚悟を決めると愛する妻子に別れを告げて向かった嶺南で出会ったのは、商船を保有する商売人の蘇諒(バイ・コー)。李善徳が持つ嶺南の通行証目当てに近寄ってきただけだったが、李善徳の話を聴いて面白そうだから投資すると言い……。
めちゃめちゃ面白かったです。ライチ園を営む若くて綺麗で厳しい阿僮(ジュアン・ダーフェイ)に指南し、李善徳はライチの輸送方法をあれこれ考える。ライチは保(も)って3日。それを過ぎると香りや匂いが落ちたり腐ったりします。壺に水を入れて漬けるなどしても最大で5日。李善徳はまず4経路を考え、どの経路を選べばいつまでライチが保つのかを調べる。皇帝の命令でこんなことをしているというのに、朝廷は金を出しません。嶺南の通行証と引き換えに李善徳に投資することにした蘇諒が「必要経費はいくらだ。その3割増しの金を出す」と言うと、李善徳は「366元」と答え、「んじゃ3割増しで1000元出すよ」と言う蘇諒に、李善徳が「いや、366元の3割増しは996元だ」と答えるシーンなど笑いました。どれだけ真面目なんだ(笑)。
お目当てのテレンス・ラウの役どころは嶺南で酷い目に遭わされていた奴隷の林邑奴。李善徳にこの任務を完了されては自分たちの立場がなくなると思っているお偉方が、李善徳を見張る目的で林邑奴を放ちます。最初は言われるがままに李善徳を見張っては報告していた林邑奴がやがて李善徳の同士になる。憎たらしい宰相役のアンディ・ラウ、許しません(笑)。李善徳の妻を演じるヤン・ミーの美しさには目を見張る。杜甫役のチャン・ルオユンも凄くよかった。
おそらく今年が終わる頃にも思い出す作品だと思います。100点。
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