『五十年目の俺たちの旅』
監督:中村雅俊
出演:中村雅俊,秋野太作,田中健,岡田奈々,前田亜季,水谷果穂,左時枝,福士誠治他
4年半ぶりのシネ・ピピアにてハシゴの〆。前述の『Black Box Diaries』の上映終了時間と本作の上映開始時間が少々かぶっていたため、たぶん最初の5分くらいは観そびれています。昔はこんなこと絶対しなかったんですけれど。
1975年から1976年にかけて日本テレビ系列で放送されていた全46話の青春ドラマ『俺たちの旅』。その50周年を記念してオリジナルキャストそのまんまに、脚本も同じく鎌田敏夫。監督を務めるのは主演の中村雅俊で、今年75歳を迎えた彼のこれが監督デビュー作。私は主題歌を知っているだけで、ドラマは観たことがありません。
あれから50年が経ち、70代になったカースケこと津村浩介(中村雅俊)、グズ六こと熊沢伸六(秋野太作)、オメダこと中谷隆夫(田中健)の3人。カースケは町工場の経営者、グズ六は介護施設の理事長、オメダは米子市長として、それぞれに平穏な日々を送っている。
ところがある日、グズ六がカースケのもとへやってきて、20年前に病死したはずの山下洋子(金沢碧)が生きているようだと言う。ある温泉宿の仲居が洋子を名乗っておかしなふるまいをしているらしいと聞き、カースケが出向いてみると、そこにいたのはかつてカースケが洋子に投げた言葉を錯乱状態で繰り返す中谷真弓(岡田奈々)だった。
真弓の兄であるオメダが言うには、余命わずかとなった洋子に会った真弓は、カースケの話をいろいろと聞いたらしい。しかし洋子が最期に何と言ったのか、真弓はオメダにも決して教えてくれないらしい。そのオメダは、亡き母(八千草薫)や真弓と共に暮らした実家のことが忘れられず、売り家となっている実家を買い戻したいと切望している。妻(左時枝)と娘(前田亜季)は当然大反対。カースケも最初は止めるつもりだったものの、オメダの願いを叶えたいと思いはじめて……。
評判も良さそうだったので期待していましたが、ちょっとがっかり。50年前のTVドラマ版を観ていた人は懐かしくて仕方ないでしょうが、男性受けしそうな話だなぁと思いました。TVドラマ版の映像が回顧シーンとして映し出されるのを観ると、私は初見で話の流れを理解しているわけではないからか、カースケがずいぶんと酷い男に思えます。洋子を殴るシーンなどあり得ない(笑)。彼女が自分のことを好きだとわかっていて、自分だって彼女に想いを抱いているくせに、まだ身を固めたくはないんだと言い、そのくせ酔っぱらって彼女を押し倒そうとする。アカン、最低。
オメダの娘に会いに行くシーンでは、男が言いそうなことばかりだし。ロマンを語るカースケとグズ六の姿に男性はグッと来るでしょうが、女にしてみれば、何を勝手なこと言うとるねんと思います。オメダの娘を説得したいのであれば、まずは彼女の言い分を聴いて頷いてやらにゃあ。聞き上手とちゃうねんなぁ。「それはそれ、これはこれ」の男と女は違うんです。
そんなわけで、ため息を吐きながら就く帰り道。若かりし頃の超カワイイ岡田奈々と、いくつになろうが可憐だった八千草薫だけは見られてよかった。
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