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『ボディビルダー』

『ボディビルダー』(原題:Magazine Dreams)
監督:イライジャ・バイナム
出演:ジョナサン・メジャース,ヘイリー・ベネット,テイラー・ペイジ,ハリソン・ペイジ,ハリエット・サンソム・ハリス,マイク・オハーン他

元日、前述の『Fox Hunt フォックス・ハント』の後、なんばパークスシネマへ移動して。

2023年に公開予定だった作品なのに2年遅れることになったのは、主演のジョナサン・メジャースによる交際相手への暴行疑惑があったから。それを理由に彼が出演する予定だった映画や広告から次々と降板を言い渡され、本作もサーチライト・ピクチャーズが公開を断念。同社が配給権を製作者に返還した後、ブライアクリフ・エンターテインメントが新たに権利を獲得してこの度の公開に至った模様です。わりと客が入っているのはそういう経緯を知っている人が多くて興味を引いたのか、もしくは単にボディビルが人気なのか。原題はその“ボディビル”ではなく“Magazine Dreams”。雑誌の表紙を飾りたかった男の話。

両親を亡くし、祖父に育てられたキリアン・マドックスはボディビルディングに熱中。憧れのボディビルダー、ブラッド・ヴァンダーホーンにファンレターを送り続け、いつか自分も雑誌の表紙を飾れると信じている。美しい肉体を造り上げるため、過酷なトレーニングと食事制限を自らに課すが、ステロイドの多用で体も精神も蝕まれていく一方。それを認めたくないキリアンは……。

凄絶。両親を亡くしたというのも、父親が母親を殺した挙句に自殺したのだということがキリアン自身の口から明かされるシーンには絶句。しかもそれを聞かされるのはキリアンがデートに誘うことに成功した勤務先の同僚ジェシー。彼女にとっておそらくキリアンは暇つぶし程度の相手でしかなかったでしょうが、レストランで彼がまず料理をオーダーする様子にドン引き。頼むステーキの量は半端ではなく、付け合わせのポテトやサラダについては砂糖の量に至るまで細かく指示。ウェイトレスも困惑している状況下で楽しく食事なんてできるわけがありません。そのうえ話の内容が殺人に自殺なのですから。当のキリアンは何が悪いのかまったくわからず、ジェシーが途中で逃げ帰ってしまった理由に思い至らない。

キレると手がつけられないキリアンはカウンセリングも受けていますが、精神科医の前でも取り繕ってばかり。万事上手く行っていて、恋人もできたなんて嘘をつく。すべてが虚構。やっと返事をくれた彼にとってのスター、ブラッドに会ってみれば、向こうはキリアンと寝たかっただけ。こう言っちゃなんですが、ボディビルダーがあんな体つきでベッドにふたり横たわっている様子は見たくなかったなぁ。しかもキリアンはお世辞にもイケメンとは言えませんから。

『愛はステロイド』(2024)を観たときにも驚いたことですが、ボディビルダーってステロイドの使用は自由なんですかね。さまざまなスポーツではステロイドで肉体改造することは許されていませんよね。こんなにステロイド使いまくりだと、作り物の体だと思ってしまうのですが、それはOKということですか。まぁ、私は興味を持てない世界なのでどっちゃでもええけれど。

唯一キリアンに愛情を注いでくれた祖父。「そのままで誇りだよ」と言ってくれているのに。おじいちゃんのことを思うと切ない。とても不愉快な作品だけど、面白いことは否めません。

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