『ペリリュー 楽園のゲルニカ』
監督:久慈悟郎
声の出演:板垣李光人,中村倫也,天野宏郷,藤井雄太,茂木たかまさ,三上瑛士他
封切り日の17:20からの回を予約して、職場からイオンシネマ茨木へと向かいました。通常10分あればイオンモール茨木へは行けますし、まぁまぁ道が混んでいたとしても17:30には着けるはずだから本編にはじゅうぶん間に合うはずでした。ところがこの日に限ってあり得んぐらいの大渋滞。どうやら近畿自動車道で事故、名神では故障車がいて渋滞中らしく、付近の道がすんごいことに。信号が変わってもまったく動かない状態が続き、なんと到着したのは18:40。はぁ。観るのをやめてもよかったのですが、来場者特典があるかもしれないし(ありませんでした(泣))、とりあえず入場して残り40分を観ることに。
原作は第46回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した武田一義の同名漫画。久慈悟郎監督のことは知らないなぁと思ったら、本作が長編デビュー作なのだそうです。40分しか観ていないのにあらすじを書けるはずもないけれど(これを1本観たとカウントしてよいものかどうかもズルしてるみたいで気になるけれど(^^;)、もともと知っていたことと合わせてわかる範囲で書いてみます。
太平洋戦争末期の1944(昭和19)年。ペリリュー島(現パラオ)に送られた日本軍の兵士は1万人だったが、米軍との戦いのなかで命が失われてゆき、最後まで生き残ったのはたったの34人。漫画家志望の青年・田丸は、仲間について書き記す“功績係”という役割を与えられ、仲間のことをつぶさに描き続けていた。島の外はいったいどうなっているのかわからないまま、日本が敗れるわけはないと信じている兵士たち。田丸は頼れる同期の兵士・吉敷と、必ず生きて帰ろうと励まし合う。やがて、現状を確かめたい、生還するためなら降伏も辞さないと考えた吉敷に田丸も賛同し、ひそかにその場を去ろうとするのだが……。
降伏はほかの兵士たちにとっては許しがたいことだから、吉敷と田丸は追いかけられて殺されそうになります。途中で吉敷は撃たれて死亡、彼を背負ってひたすら歩く田丸。ようやく森から抜け出したら、戦争はとっくに終わっている。まだ戦争が続いていると信じて出てこようとしない残りの兵士らをどう説得するかがここからの肝になります。
功績係だったからこそできること。ネタバレになりますが、田丸は家族から手紙を書いてもらうようにと上官に進言します。残っている兵士ら全員の実家がわかるのかと驚く上官に田丸が見せる記録帳。そこには兵士たちの似顔絵と出身地、好きなものなどが描き綴られていました。親兄弟姉妹や妻からの手紙を受け取って涙する兵士たちは、やっと終戦そして敗戦を事実だと理解するのでした。命の恩人だと田丸に感謝する兵士もいるけれど、救出されてなお「降伏は恥」と田丸を睨みつける兵士もいます。生きて帰ることは恥なんかじゃないのに、生きて帰るぐらいなら戦死したほうがマシだと思うなんて。
田丸の声を板垣李光人、吉敷の声を中村倫也が担当。どちらもよかった。観逃した3分の2をもう一度観に行くかどうか迷い中です。
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