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『ナイトフラワー』

『ナイトフラワー』
監督:内田英治
出演:北川景子,森田望智,佐久間大介,渋谷龍太,渡瀬結美,加藤侑大,渋川清彦,池内博之,瀧七海,田中麗奈,光石研他

TOHOシネマズ伊丹で2本ハシゴの2本目。

前述の『兄を持ち運べるサイズに』中野量太監督のことが好きなのに対し、こちらの内田英治監督のことはまぁまぁ苦手です。『逆火』は毒があるぶん面白かったけど、『サイレントラブ』(2024)と『誰よりもつよく抱きしめて』(2024)は嫌い。話題になった『ミッドナイトスワン』(2020)も好きではありませんでした。特に内田監督の女優の使い方がいつも疑問。若手の売れっ子を起用して悲恋を撮るところが私は嫌なのかなぁと自己分析していました。本作ではもう若手とは言えない北川景子を起用。さてどうでしょう。

夫は借金をつくって失踪。小学生の娘と幼稚園児の息子を育てるシングルマザーの永島夏希(北川景子)。ラブホの清掃に地球儀製作、スナックのホステスと仕事を掛け持ちしても金は全然足りず、ガスを止められることもある。

ある夜、客から無理に飲まされた酒のせいで吐き気を催してうずくまっていると、数十メートル先で男が襲われるのを目撃。殴打されて財布を奪われ気絶している男に近寄ってみると、ポケットにはドラッグとおぼしき錠剤が入っていた。咄嗟にそれを盗んで駆け出す夏希。帰宅後に調べてみると、それは“エクスタシー”と呼ばれる違法ドラッグ。いくらか稼げるはずだと、繁華街を歩いていた若者に声をかけると、1万円で売れる。しかし、そこらで見かけない顔の女が勝手に商売していることがすぐにバレ、袋叩きにされる。

倒れていた夏希を助けて家まで連れ帰ったのが格闘家の芳井多摩恵(森田望智)。多摩恵は夜の街のルールをまるで知らない夏希を諭すとともに、夏希が困窮する状況を察し、手を組むことを提案。幼なじみの池田海(佐久間大介)に裏社会との取り次ぎを依頼し、夏希と多摩恵がコンビでドラッグを売り歩くことになるのだが……。

ジムのオーナーに光石研、トレーナーに池内博之。ドラッグにハマって地獄を見るのは裕福な家庭の娘(瀧七海)で、その母親を田中麗奈が演じています。家出したその娘を探すために雇われる刑事上がりの探偵役に渋川清彦

だいたい北川景子が全財産何百円とか言ったって説得力がありません。ありませんけれども、苦手な内田監督の作品の中では良かった。『サイレントラブ』や『誰よりもつよく抱きしめて』のような「がんばってるアピール」をあまり感じないからかもしれません。共感を呼ぶのに大げさな演技は要らない。北川景子と森田望智がよかった。子役の渡瀬結美の演技も光ります。

しかし本作を観ながら思い出したのは、『兄を持ち運べるサイズに』の加奈子の台詞。悲しい哉やっぱりないのよ、「お金はなくても幸せな生活」なんてことは。

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