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『WEAPONS/ウェポンズ』

『WEAPONS/ウェポンズ』(原題:Weapons)
監督:ザック・クレッガー
出演:ジョシュ・ブローリン,ジュリア・ガーナー,オールデン・エアエンライク,オースティン・エイブラムズ,ケイリー・クリストファー,ベネディクト・ウォン,エイミー・マディガン他

なんばパークスシネマにて4本ハシゴの2本目。前述の『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』の次に。

ザック・クレッガー監督はまだ40代前半。若手の部類に入るでしょう。日本では劇場未公開だった『バーバリアン』(2022)で注目を集めたそうで、ディズニープラスで視聴可能。オリジナル脚本と聞いただけで私の評価はひとつ上がります。この監督、奥さんはビル・パクストン(『タイタニック』(1997)でトレジャーハンターを演じた俳優)のとっても遠い親戚のサラ・パクストンなんですと。どうでもええか。

ペンシルヴェニア州郊外の小さな町。新任の小学校教師ジャスティンが担当するクラスの児童18人中17人が忽然と姿を消す集団失踪事件が発生。防犯カメラなどによれば、いずれの児童も午前2時17分に突然起き上がり、手を広げて玄関から飛び出した模様。翌朝登校したジャスティンのクラスの児童はアレックスただひとりで、そのときになって17人が行方不明であることが発覚する。ジャスティンは自分は何も知らないのだと主張するが、保護者たちから疑いの目で見られ、魔女と揶揄される。

……というジャスティンの章で幕が上がり、その他の登場人物何人かを追う章仕立てになっています。保護者のうちのひとりであるアーチャーは、息子マシューがいなくなってからというもの、何も手につきません。なんとか息子を見つけたくて、ジャスティンの後をつけたり、情報収集に努めたり。何度も防犯カメラを確認するうち、息子が捕らわれている場所がなんとなくわかりはじめます。

ジャスティンは町の人たちに責め立てられる気の毒な女性教師かと思いきや、以前の赴任地では不倫騒動を起こしてクビになっている。この町でもこんなときに良い仲になった警察官ポールを呼び出します。それに乗るポールもポールで、最初はジャスティンから勧められる酒を頑なに断っているけれど、結局飲んだうえに寝てしまう。ポールの妻ドナが怒り狂ってジャスティンのもとへ乗り込むのは、寝たからというよりも、アルコール依存症で治療中だったポールに酒を飲ませたから。

こんなふうに町と住人の様子を描きながら進む物語はどこへ行き着くのかわからなくて面白い。可哀想なのはアレックス。叔母だといって押しかけてきた老婆グラディスに家を乗っ取られ、両親もグラディスに操られています。グラディスが使う技はどういう魔術なのだかわからないし、彼女の目的が何なのかもよくわかりません。わからないのに、それがどうでもいいと思えるぐらい面白い。とても怖いホラーだけど、最後はギャグかと思えるぐらいで笑ってしまいました。

ジャスティン役のジュリア・ガーナー、アーチャー役のジョシュ・ブローリン、いいですよねぇ。アレックス役の子役ケイリー・クリストファーはものすごい美少年。誰にも言えないまま勇気を振り絞る彼に声援を送りたくなりました。

今年いっぱいで日本での劇場配給業務を終了するワーナーブラザースジャパンが最後に放つ洋画。ホラーが苦手でなければオススメします。

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