『爆弾』
監督:永井聡
出演:山田裕貴,伊藤沙莉,染谷将太,坂東龍汰,寛一郎,片岡千之助,中田青渚,加藤雅也,正名僕蔵,夏川結衣,渡部篤郎,佐藤二朗他
これはもっと近所の劇場でも鑑賞可能な作品でしたが、『劇場先行版 ゴールデンカムイ 札幌ビール工場編 後編』を観に行ったついでにTOHOシネマズ伊丹で観て帰る。
原作は呉勝浩の同名ベストセラー小説。これもかなり前から積読の山の中にあり、鑑賞前に読んでしまおうと毎日持ち歩いていたのに読めず。このあと読みます。監督は『恋は雨上がりのように』(2018)や『キャラクター』(2021)の永井聡。
酔っぱらった中年男(佐藤二朗)が暴れ、酒屋の商品を壊すわ、止めに入った従業員を殴るわで逮捕される。「スズキタゴサク」と名乗るその男が所持していたのは空の財布のみで、身元を証明するものは何もなし。最初に取り調べに当たった野方署の刑事・等々力(染谷将太)に対し、スズキは自分には霊感があるのだと言って爆破事件の発生をほのめかす。実際、その通りの事件が起き、今後もそれが続くことをスズキは示唆する。
まもなくして警視庁捜査一課からやってきた刑事・清宮(渡部篤郎)とその部下・類家(山田裕貴)が取り調べを引き継ぐが、おちょくるかのようなスズキの挑発に清宮が乗せられるうちに、連続して次の爆破事件が起きてしまう。ついに清宮は怒りを抑えることができなくなり、類家にバトンタッチするのだが……。
登場人物が多いので少々困惑する部分はありましたが、面白く観ました。スズキと等々力の会話の記録係として立ち会う刑事・伊勢には寛一郎。彼らの上司・鶴久には正名僕蔵。等々力の同僚で、かつて優秀な刑事だったのに不祥事を起こしたうえに自殺した長谷部に加藤雅也。そのせいで一家離散の危機に追い込まれたことを嘆く長谷部の妻役に夏川結衣。娘役で中田青渚。野方署の警察官には伊藤沙莉と坂東龍汰が扮しています。
原作とは完全に一致しているのかどうかはわからないけれど、あれやこれやの話を137分に巧く詰め込んだ作品だなと思いました。山田裕貴がよかったのは言うまでもありませんが、染谷将太がとてもよかった。どうにもムカつくスズキの挑発に乗らなかったのはこのふたりだけ。最後まで挑発を続けるスズキにふたりがそれぞれ放つ言葉はちょっと心に沁みましたね。
それを不幸せだとは思わないよ。そう、幸せかどうか決めるのは自分だけ。
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