『恋に至る病』
監督:廣木隆一
出演:長尾謙杜,山田杏奈,醍醐虎汰朗,中井友望,中川翼,上原あまね,小林桃子,井本彩花,真弓孟之,忍成修吾,河井青葉,前田敦子他
優先度が低くて後回しにしていた作品ですが、上映回数が日に1回になった頃、時間が合うなら一応観ておこうかと109シネマズ箕面へ。
原作者が誰なのかを知らずに観に行きました。こうして書く段になって斜線堂有紀だということを知る。おおっ、この人は先月読んだ『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』の著者ではないですか。結構面白かったのですよね。鑑賞前に気づいていたら、見方もちょっと変わっていたかもしれません。後の祭り。(^^;
高校生の宮嶺望(みやみねのぞむ)(長尾謙杜)が両親(忍成修吾&河井青葉)と共に引っ越したのは、寄河景(よすがけい)(山田杏奈)の向かいの家。転入先のクラスにはその景がいて、望と同級生になる。景は学校中の人気者で、誰もが景の言うことならば聞くし、景に気に入られようと努めている。いつも笑顔で、困っている人に手を差し伸べることを厭わない景。望もすぐに彼女に恋をする。
一方の景も望に興味を示し、何かと声をかけてくる。景のことが好きなクラスのムードメーカー・根津原あきら(醍醐虎汰朗)は嫉妬し、取り巻きと共に望を酷くいじめるように。それに気づいてあきらに注意した景も跳び箱の中に閉じ込められてしまう。景を救出した望に、景はあきらのことは自分に任せるようにと言う。
それから数日後、あきらが死ぬ。飛び降り自殺だと断定されるが、担当刑事の入見遠子(前田敦子)は腑に落ちない。その後も望や景の同級生たちが不審死を遂げる事件が続き、プレイすれば必ず死に至ると言われているゲーム“ブルーモルフォ”について調べてみると……。
望は景のことが好きだけれど、ブルーモルフォのゲームマスターが実は景なのではないかと思いはじめます。しかも景はあきらを殺したのは自分だと軽々と言ってのけるし、次々に生徒たちが死ぬのもすべて景が関わっているように見える。好きだけど彼女のことが怖い。でも好きだから、何があっても彼女のことを守りたい。相当いびつな青春恋愛ものに思えます。
些細といえば些細だけれど、引っかかることはたくさん。主人公の望は冴えない内気な男子という設定なのに、同級生女子のことみんな呼び捨て。転校早々、内気な男子がみんな呼び捨てにしますか。どういう男子やねんとツッコミ入れそうになります。景役の山田杏奈もカリスマ性のある美少女という感じではないから、ここまで学校中の注目を集める女子役ということには違和感をおぼえます。彼女にはアシリパ役がいちばん合っているような気がする。
つまり私には廣木隆一監督作品がイマイチなんだろうと思いますが、「利用されていただけかと思っていたけれど、そうじゃなかったんだよ」という最後のシーンはちょっと良かった。
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