観るものがないんだってば。109シネマズ大阪エキスポシティにて『大長編 タローマン 万博大爆発』を観たあと、ハシゴするものはないなぁと思ったけれど、『国宝』は封切り日に観たきり。大ヒット中のこれをもう一度観ることにして、109シネマズ箕面へ。
平日の晩21:40上映開始の回で終了は23:45。私は車だからいいとして、電車で観に来ている人とかいらっしゃるんですかね。終電に間に合わないでしょ。なのに凄い混雑ぶり。『F1/エフワン』の再上映がババ混みなのも嬉しいし、こうして『国宝』が大ヒットを飛ばしているのも嬉しい限り。
2回目になかなか手が出なかったのは、複数回観るには体力を要する作品だと思ったからです。物理的に約3時間の長尺だというだけなら、『国宝』の175分よりも『RRR』(2022)はさらに長い179分だけど18回観たし、そこまで長くはないけれど135分の『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)は31回、131分の『トップガン マーヴェリック』(2022)は36回観ました。今年に入ってからは124分の『ファーストキス 1ST KISS』も6回観ています。『F1/エフワン』だって155分あるのにすでに5回観ていますし。
『国宝』はなんとなく軽い気持ちでは観られない。日本の伝統芸能ということもあるのかもしれませんが、背筋を張って観なければいけない気持ちに駆られます。2回目は寝るよねぇと思ったのに寝ませんでした。吉沢亮と横浜流星の美しさに魅了されるし、そこにいる誰もが真摯に撮影に臨んだ空気が伝わってきて、見入ってしまいます。
1回目に観たときに好きだったシーンがやっぱり好きです。渡辺謙演じる花井半二郎が事故に遭って入院し、自身の公演『曽根崎心中』の代役に息子の俊介(横浜流星)ではなく喜久雄(吉沢亮)を抜擢したとき、俊介が喜久雄に「泥棒やないか。……とでも言うほうがおもろいんやろうけど」と言う。逆に喜久雄が出て行くことになったときに追いかけてきた俊介に向かって、喜久雄が「結局血ぃやないか。……とでも言うほうがおもろいんやろうけど」と言うやりとり。その後で殴り合いにはなってしまうけれど、このふたりの絆には血以上のものを感じます。
田中泯の凄みに圧倒されるのは言うまでもなく、冒頭だけ登場の永瀬正敏の組長っぷりも圧巻。三浦貴大の役も好きだなぁ。かねてから注目していた見上愛(藤駒役)が本作でブレークした感があって嬉しい。最初は小松菜奈に似ていると思って気になっていただけでしたが、本作をきっかけに違う目で見ることができそうです。
こうして2回目に足を運ぶと弾みがついてまた行こうかなという気になる。観るものがなくなれば検討します。
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