『ギルバート・グレイプ』(原題:What’s Eating Gilbert Grape)
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ジョニー・デップ,ジュリエット・ルイス,メアリー・スティーンバージェン,レオナルド・ディカプリオ,ダーレン・ケイツ,ローラ・ハリントン,メアリー・ケイト・シェルハート,ジョン・C・ライリー,クリスピン・グローヴァー,ケヴィン・タイ他
北新地でボトルワインを1本空けるランチの後、テアトル梅田に向かって映画を3本ハシゴしました。1本目がこれ。
「煌めくような名作・感動作を12ヶ月連続で上映するプロジェクト〈12ヶ月のシネマリレー 2024-2025〉第10弾!」とあるのですが、こんなプロジェクトがあったことすら知らなくて。ラインナップに挙がっている作品タイトルを見ると、そういえばテアトル梅田の上映スケジュールを過去に確認したときに「こんなののリバイバル上映があるんだ」と思った記憶があります。『ヴァージン・スーサイズ』(1999)は観たいと思っていたのに観逃し、『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(2015)や『ローガン・ラッキー』(2017)は私の中では割と新しい作品だから、わざわざいま上映するのはなぜ!?と思ったような。
そんな中にあって本作は絶対もう一度劇場で観たいと思いました。スウェーデン出身のラッセ・ハルストレム監督のハリウッド進出第2作で、1993年の作品。当時19歳だったレオナルド・ディカプリオが第66回アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされて大きな話題に。彼の演技は本当に素晴らしくて、どえりゃー俳優が出てきたものだと思ったものです。
アイオワ州の小さな町に暮らすグレイプ一家。父親が自殺したのをきっかけに心が壊れた母親ボニー(ダーレン・ケイツ)は過食症を患い、この17年間で身動きできないほどに太った。そんな母親を気にかける長男のギルバート(ジョニー・デップ)は次男で知的障害を持つアーニー(レオナルド・ディカプリオ)の世話で手一杯。長女のエイミー(ローラ・ハリントン)は勤めてい仕事を辞めて家事全般を担い、次女で高校生のエレン(メアリー・ケイト・シェルハート)は反抗期まっただ中で毎日に不満あり。家族を置いて行くことはできず、一度も町から出たことのないギルバートだったが、ある日、トレーラーで旅をする女性ベッキー(ジュリエット・ルイス)と出会い……。
やっぱり良い映画だなぁとしみじみ思う。いまやすっかりキワモノ役が多くなったジョニー・デップのこんな普通の役がもっと見たくなる。トレーラーが通るたびに無邪気に喜び、警鐘塔にのぼっては警察から厳しく注意されるアーニーを演じるレオナルド・ディカプリオを見ていると、今の骨太っぷりが信じられないほど繊細で、この人は天性の役者なのだと思います。
今のデップとディカプリオしかご存じない人がいたら、これは必ずご覧いただきたい作品です。
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