『近畿地方のある場所について』
監督:白石晃士
出演:菅野美穂,赤楚衛二,九十九黄助,夙川アトム他
封切り日にTOHOシネマズ伊丹にて。原作が大ヒットしたからか、予想外に多い客入り。当日劇場に行ってからチケットを買おうとしたら、前方の列しか空いていませんでした。ちなみに原作は怖そうで読むつもりなんてなかったのに、SNSで友人から「怖くて読めないから代わりに読んでくれませんか」と私名指しでリクエストがあり、仕方がないから読みました(笑)。そのときの感想はこちらです。
オカルト雑誌の次の企画をひとりで進めていた編集長(夙川アトム)が妻を連れて失踪。データの入ったファイルも一緒に持って行ってしまったものだから、このままでは頁が空くことになるやもしれぬ。困り果てた編集部員の小沢悠生(赤楚衛二)は、オカルトライターの瀬野千紘(菅野美穂)に協力を依頼する。
編集長が残していた資料を調べてみると、幼女の失踪や中学生の集団ヒステリーなどの事件、都市伝説、心霊スポットでの動画配信騒動などを追っていたことがわかる。小沢と瀬野が編集長の取材相手に会いに行くと、ひとりの青年曰く、寺院に救いを求めるもお祓いの途中で住職がおかしくなり、自分には祓えないと言い出したらしい。住職の勧めに従って絶えず生き物を飼うようにしたが、その生き物が次々に死んでゆくのだと。
やがて小沢の様子にも変化が現れはじめる。あの青年と同じく何かに憑かれたとしか思えず、祓う方法を知っているとおぼしき編集長の居場所をようやく突き止めるのだが……。
オカルトがお得意な白石晃士監督のことなので、映像も音もかなりおどろおどろしい。そのせいで、もともとホラー苦手な私はほとんどのシーンで目を伏せているはめに。地下の編集室で編集長が目ん玉くり抜かれる冒頭のシーンから「無理だ」と思いました(笑)。だけど、目を伏せていたせいではなくて、話自体にあまり惹かれるところがありません。原作も好きだったとは言えないものの、頁を開くことも戻ることも躊躇われるような恐怖感にはつきまとわれていました。それが映像化されると何でもかんでも登場人物の台詞によって説明されてしまうから、こちらが考える面白みは無し。
笑うしかないオチに唖然呆然。なんだかなぁ。それと、キャストが大勢いるにもかかわらず、公式サイトで赤楚衛二と菅野美穂しか紹介されていないのは、こうするほうが関心を向けられるという戦略なんですかね。確かに「おおっ!」という出演者はいないけれど、そこまで出し惜しみしなくてももうちょっと紹介してあげてください。出演したことを後悔する作品でないのであれば。
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