『BTS ARMY:FOREVER WE ARE YOUNG』(英題:BTS ARMY: Forever We Are Young)
監督:グレース・リー,パティ・アン
109シネマズ箕面にて。
これまでに観たようなライブ映像を交えたドキュメンタリー作品だと思っていたら、BTSのメンバーたちのコメントなどはない、がっつりARMYに焦点を当てた作品だったから、ちょっと意表を突かれました。
『JUNG KOOK: I AM STILL』(2024)を観ていなかったらきっと私は今もBTSどころかK-POPの世界に一歩も踏み入れぬままだったでしょう。1回目の『JUNG KOOK: I AM STILL』を観たのは去年の10月のことだから、まだファン歴は1年経っていません。それがどうですか、このハマリようは(笑)。
本作を観ると簡単には「私もファンです」とは言えなくなります。BTSがデビューした2013年から数年以内にハマって追いかけつづけている世界各国の人たち。さまざまな背景を持ち、異なる環境で育ったファンたちだけど、皆、BTSの音楽と出会い、動画を観ては励まされ、BTSが世界的ポップスターになるのを支えてきました。ビルボードのランキング入りを果たすにはどうすればよいか、ラジオで曲が流れるようにするにはどうすればよいか、ファンが考えて見事にそれを成し遂げたのですね。
BTSのメンバーの言葉、曲を理解するために、ボランティアで翻訳を担当する人たちが世界中にいるそうです。誰ひとりとして金を取っていない。ただ皆で想いを共有したくて自主的にしていること。それぞれの推しの良さも語られて、「とにかくジョングク」の私も箱推しになってしまう。女性ファンが圧倒的に多いのかと思ったら、男性ファンもキラキラと目を輝かせて話す様子がとてもイイ。
その一方で怖いことも。YouTuberとなってBTSに特化した配信を始めたら、登録者数はうなぎ登り。けれど、炎上の危険性は必ずつきまとい、ちょっとでも批判的なことを言おうものなら何万人もの単位で一気に登録者が減ったりもする。ファンであることは変わらないのに、この辺りはちょっと理解しにくい世界だったりもします。
引っ越してすぐに壁にお気に入りの曲のバーコードを書いたファンの話はいいなぁと思いました。帰宅したらすぐにそれをスマホでスキャンすれば好きな曲が流れる。やりすぎやろと思わなくもないものの、気持ちはなんとなくわかる(笑)。何よりこの壁がオシャレに見えるんです。
私のような最近のファンは、彼らがデビュー後に順風満帆なアーティスト人生を送ってきたのだと思っていましたが、そうじゃないんですね。解散も考えたというシーンは何度か観たことのある動画だけど、もらい泣きしてしまう。韓国人アーティストとして初めてロンドンウェンブリースタジアムでおこなった公演のときの観客の歌声にはじわじわ涙がこみ上げます。
ARMYの皆さんに敬意を表したい。基本的に面倒くさがりの私はこの一員にはなれそうにもないけれど、皆さんのことを応援したいと思います。まぁまぁお歳を召した女性が「BTSのメンバーが私ぐらいの歳になっても聴きつづけていたい」とおっしゃっていて、「婆ちゃん、いくつまで生きるつもりやねん」と思ったことは内緒です。(^^;
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