『星つなぎのエリオ』(原題:Elio)
監督:ドミー・シー,マデリン・シャラフィアン,エイドリアン・モリーナ
声の出演:川原瑛都,清野菜名,佐藤大空,松山ケンイチ,野呂佳代,渡辺直美,中谷(マユリカ),関智一,沢城みゆき,安原義人,子安武人他
毎年恒例の全館停電の日、まずは老健に入所中の父に面会に行き、次に予約していた眼鏡屋さんで眼鏡の調節をしてもらう。先日椅子の上に眼鏡を置いたのを忘れて腰掛けてしまったためです。その後、市役所でマイナンバーの電子証明書の更新手続きをしてから109シネマズ箕面へ。病み上がりでみんなから「映画は自重するように」と釘を刺されていたので、これ1本だけ。
アニメであっても洋画は字幕で観る派ですが、『リロ&スティッチ』同様に本作は字幕版を上映している劇場が少なすぎて近隣では見当たらない。字幕版の声優陣を調べたところ、名前を知っているのはゾーイ・サルダナぐらいだし、まぁいいかと吹替版で妥協するしかありません。
両親を亡くした少年エリオは叔母オルガに引き取られる。空軍少佐のオルガは宇宙飛行士になることを目指していたが、その夢をあきらめてエリオと過ごすことを選択。しかしオルガにどれだけ優しい言葉をかけられようともエリオの心は塞ぎきったままで、両親以外に自分を愛してくれる人はいないという思いが消えない。エリオは宇宙人がこの地球から連れ出してくれたらいいのにと考える。
海辺で来る日も来る日も宇宙人へのメッセージを送りつづけていたエリオは、オルガが勤務する空軍基地で、無線オタクのメルマックの話を耳にする。遠い星との交信を力説するメルマックをオルガは無視するが、皆がその場を離れた隙にエリオがこっそり交信を試みると、基地は停電に陥って大問題に。そのせいで怒ったオルガはエリオをユースキャンプに送り込む。
キャンプでいじめっ子たちと遭遇し、まさに殴られんとしたときにエリオ以外の時が止まる。そこへ飛来した宇宙船に吸い込まれたエリオは、星々の代表が集まる“コミュニバース”へ地球の代表として招かれる。まさか自分がまだ子どもで、地球の代表ではないなどとは今さら言えず、地球には還りたくない一心で必死に代表のふりをするエリオは……。
最初はなんとなく嫌でしたねぇ。だいたいいつも同じ流れの話じゃないですか。親を亡くして孤独な子どもがわがままにふるまい、周囲は手を焼く。それが異次元に飛んだり異空間から来た何かと出会ったりして心を開き、自分の態度を改める。そりゃ突然親が死んじゃったら辛いに違いない。でも愛情を注いでくれる相手にそこまで冷たく当たる子どもの勝手ぶりはどうですかと思わなくもない。
はいはい、いつものディズニーですよねと思いながら観ていましたが、結局いつものディズニーで、最後にはホロリとさせられてしまうわけです。宇宙人の少年グロードンとエリオが友情を育み、オルガと協力してグロードンを救う。定番だけど、定番ゆえの安定感。
ところで、夏休み中で子ども連ればかりの映画館。予告編で『プレデター:バッドランド』を流したら子どもらビビりませんか。プレデターの容貌ももちろん怖いけど、白目剥いてるエル・ファニングの顔も怖い(笑)。それと、ここ数週間、私が吐きそうなぐらい嫌いなのが無印良品のCMです。映像ではなくて、流れている曲が超苦手。これを観ると『ミッドサマー』(2019)や『関心領域』(2023)を思い出して嫌な気持ちになります。どちらも作品としては好きでしたが、不気味すぎる。無印は何を思ってこんなCMを制作したのか私にはわかりません。
目次