『ラ・コシーナ/厨房』(原題:La Cocina)
監督:アロンソ・ルイスパラシオス
出演:ラウール・ブリオネス,ルーニー・マーラ,アンナ・ディアス,モーテル・フォスター,ローラ・ゴメス,オデッド・フェール,リー・セラーズ,スペンサー・グラニース,ベルナルド・ベラスコ他
テアトル梅田で観る時間はつくれなさそうだなとあきらめていたら、少し遅れて塚口サンサン劇場で公開。口コミでは賛否両論、というのか低い評価のほうが多くて、観に行くかどうかかなり迷いました。けれど『ディナーラッシュ』(2001)とか『ボイリング・ポイント/沸騰』(2021)といった厨房ものは好きですから。それに観なきゃ文句も言えませんしね(笑)。監督はメキシコの俊英アロンソ・ルイスパラシオス。キャストの中で知っているのはルーニー・マーラのみ。さてどうなるか。
ニューヨークのレストラン“ザ・グリル”。スタッフのほとんどが移民で、ターゲットとしているのは観光客の大箱店。厨房に新しく雇われたメキシコ人女性エステラは、故郷で慕っていたペドロに会いたくてここにやってきた。ちょうど店では売上金の紛失騒ぎがあり、盗難を疑う社長とマネージャーは犯人捜しに躍起になっているところ。ペドロの腕は確かだが、性格に難があってトラブルメーカーらしい。フロアを担当するアメリカ人女性ジュリアはペドロの子を身ごもっているが、中絶しようと決めている。どうしてもジュリアに自分の子を産んでほしいペドロは、ジュリアに懇願するのだが……。
原作はイギリス人の劇作家アーノルド・ウェスカーの戯曲なのだそうです。メキシコやモロッコの移民が忙しく働く店の様子は面白く映るものの、厨房の酷さは直視がつらいほど。全編モノクロだから観ていられるけれど、これがカラーだったらオエーっです。
ジュリアを演じるルーニー・マーラは40歳になっても可愛いまま。しかしペドロ役のラウール・ブリオネスについては役柄も顔も好きになれないから、ちと厳しい。話もテンポがよいとは言えず、寝たり起きたり起きたり寝たりを繰り返しながらの140分となりました。
働かせてやっている、給料もちゃんと渡している、食事だって与えている。何が不満だというのか、どうしたいのかと問う社長。上から目線だし、スタッフに尊厳はないのかとも思うけれど、それにしてもペドロの態度はどうですか。少なくともこの店で食事したいとは思えません。病気になりそう。(^^;
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