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『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』

『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』
監督:高畠勲
声の出演:山田栄子,北原文枝,槐柳二,羽佐間道夫他
 
どうして今さら『赤毛のアン』なんだと思いながら、ほかに観るものもなくてイオンシネマ茨木へ。
 
カナダ出身の作家L・M・モンゴメリが1908年に発表した“Anne of Green Gables”は、
特に子ども向けに書かれたわけではなかったのに、世界的に有名な児童文学となりました。
 
日本では1952年の初邦訳時に採用された『赤毛のアン』という邦題が受け入れられる。
1979年にフジテレビの“世界名作劇場”枠で初のTVアニメ化。
ちなみに世界名作劇場の前身は“カルピスまんが劇場”で、『ムーミン』や『フランダースの犬』が放映されました。
ほかには『アルプスの少女ハイジ』や『あらいぐまラスカル』が代表作品で、今も愛されていますよね。
 
私自身は『赤毛のアン』にさほど思い入れはなくて、話もほとんど覚えていません。
本作は全50話のTVシリーズのうち1話から6話までを1989年に高畑勲監督が監修して再編集した劇場版。
なぜか当時は公開に至らなかった幻というべき編集版なのだそうです。
2010年にようやく劇場公開が叶い、このたび再上映となりました。
 
不幸な境遇を経たのち孤児院に預けられた赤毛の少女アン・シャーリー。
ようやくマシュー&マリラ・カスバート兄妹に引き取られることになって喜んでいたのに、
駅に迎えにやってきたマシューは困惑顔。
マシューとマリラは男の子を寄越すように希望していたのに女の子が来てしまったのだ。
 
マシューが連れ帰ってきたアンを見たマリラはびっくり仰天。
すぐにアンを孤児院へ返すようにマシューに言うが、なんだか可哀想でそうできない。
業を煮やしたマリラがアンを返しに行くけれど、結局カスバート家で引き取ることにします。
 
タイトルの「グリーンゲーブルズ」はカスバート兄妹が暮らす家のこと。
プリンスエドワード島が舞台になっていて、とても美しい自然が描かれています。
 
だけど、今見るとツッコミどころが多すぎる。
マシューとマリラはアンのことを面白い子だと言うけれど、相当変わっていませんか。(^^;
だいたいしゃべり方が「~ですもの」で違和感バリバリだし、
木を見ては「雪の女王」(でしたっけ?)だとか池を「きらめく湖」と表現したり。ただの池やっちゅうねん。
 
そもそも孤児院から子どもを引き取るのに、働き手としか見ていないわけです。
『カラーパープル』ほど酷くはないけれど、言い草が今の時代なら全部アウト。
 
ただ、アンのポジティブな考え方には見習うべきところが多い。
「孤児院に預けられる以前の養母はアンタのことを大切にしてくれたのか」とマリラに問われたアンは、
「大切にしようと思っていてくれたことがわかるからいい」と答えます。
実際に大切にされたかどうかではなく、大切にしようとしていたことが伝わってきたし、
そうしようと思ってもいろんな事情でそうできないことがあるから仕方がないと。
かなり面倒くさいガキだとは思うけど、こういう考え方をすれば見え方も変わるかもと思えます。

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