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『ノーバディーズ・ヒーロー』

『ノーバディーズ・ヒーロー』(原題:Viens je t’emmene)
監督:アラン・ギロディ
出演:ジャン=シャルル・クリシェ,ノエミ・ルヴォフスキー,イリエス・カドリ,ミシェル・マジエロ、ドリア・ティリエ他
 
本邦初公開というアラン・ギロディ監督作品をとりあえず3本とも観ようかと思い、
『湖の見知らぬ男』を観た数日後に再び第七藝術劇場へと向かいました。
 
ハッテン場を舞台にした『湖の見知らぬ男』に度肝を抜かれ、
きっとこの監督の作品はこういうの(どういうの!?)ばかりなんだわと覚悟していたら、これはそんなの(どんなの!?)じゃなかった。
ただ、やっぱりギロディ監督は変態なんじゃないかと思う(笑)。
 
独身男性のメデリックは日課のランニング中、路上に立つ売春婦のイザドラに一目惚れして声をかける。
「君と寝たいけれど売春には反対だから、タダでヤラせてほしい」。
一旦はそこから立ち去ったイザドラから後ほど連絡があり、メデリックはいそいそとホテルに向かう。
 
ところが、いざ挿入というときにイザドラの喘ぎ声がピタリと止まる。
ホテル近くの広場で爆破テロが発生したというニュースがテレビで流れたから。
早く続きをしたいメデリックに対し、イザドラはそれどころではないと言う。
イザドラを押しとどめようとしているうちに彼女の夫が迎えにきて、そのまま帰ってしまう。
 
仕方なく帰ると、アパートの前にいたアラブ系のホームレスの青年セリムから金を無心される。
ケバブが買える程度の金を渡して追い返すが、雨の中にいるセリムが気の毒になり、アパートへ招き入れる。
 
アパートの住人たちはセリムの処遇について討議。
ここに置いてやるべきだと言う者、いやいや、危険だから追い出すべきと言う者。
 
そんなことよりもとにかくイザドラとヤリたいメデリックは、なんとか連絡を取ってベッドへと誘うが、
いつも今からというときに邪魔が入って……。
 
すごくヘンテコな作品です。
そもそもメデリック役のジャン=シャルル・クリシェの見た目が私の苦手なタイプなので、正直なところ気持ち悪さしかありません。
イザドラ役のノエミ・ルヴォフスキーにしたって、若い美人どころかバスケットボール級の巨乳のアラ還なんですもの。
このふたりの絡みなんて見たくないし、ドン引きやっちゅうの。
 
でもストーリーは確かに面白い。
売春は良くないからカネ払わんとヤラせろってどういう理屈やねん。
それにイザドラの夫は嫉妬深いというけれど、妻が売春を続けていることはなんとも思っていません。
客を取って帰るのが遅くなるのは許せなくて迎えに来るのもどういう心境なのかしらん。
 
聖戦士って童貞じゃないと駄目なんですね。
だからおそらく童貞のセリムが童貞を喪失したら自爆テロなんて考えなくて済むとか、もう無茶苦茶。
ギロディ監督らしくゲイの話ももちろん出てきて、ありとあらゆる社会問題が込められています。
 
誰にも薦めません。でも同監督の作品が上映されれば、私はまた観に行くことでしょう。

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