MENU

『104歳、哲代さんのひとり暮らし』

『104歳、哲代さんのひとり暮らし』
監督:山本和宏
ナレーション:リリー・フランキー
 
夙川でひとりランチ→梅田で映画→COOL JAPAN OSAKA WWホールで“笑い飯・千鳥の大喜利ライブ”という休日。
全行程の前に映画1本観られるんちゃう?と思い、朝イチで第七藝術劇場へ。
 
広島県尾道市で暮らす石井哲代さんの日々に密着したドキュメンタリー作品。
101歳から104歳の誕生日をお迎えになった頃までがフィルムに収められています。
 
尾道のどの辺りになるのでしょうか。
駅前の栄えた場所というわけではなく、車がないとちょっとつらいかなという地域とお見受けします。
 
冒頭のシーンは、病院から帰ってきたばかりの哲代さん。
食べて寝るだけで楽な毎日を過ごさせてもらって申し訳なかったと笑顔を見せてくれます。
20年前に亡くなったご主人にすぐに顔を見せに行き、「留守にしていてすみませんでした」と手を合わせる。
 
家の前や家に続く道の草を見ると抜かずにはいられない。
「草が生えとると不精げやろ」。あはは、私は耳が痛い。草抜きせにゃと思いました。
 
ユーモアに溢れている哲代さんと周囲の人とのやりとりが楽しい。
撮影スタッフからは手作りの味噌について「100年前の味噌ですか」と尋ねられて「まさかぁ」。
着替え中に来られると、「靴下穿いとらん。裸じゃなくてよかった」。
墓参りをすれば、「行くとこないならあなたにもこの墓の場所あけたげるよ」。
「レタス」を「テラス」と言い間違えて照れた顔。「テラス」という言葉が出てくるところが凄くないですか。
 
「いい人生です。人生だったって言うたらいけんからね。“ing”で行きます」との言葉に、
えっ、100歳すぎて現在進行形がわかるの!?と思ってごめんなさい。
小学校の教師でいらしたのですね。何でもご存知です。
 
初めて担任した児童たちの80年ぶりの同窓会に招かれて出席。
あの児童たちが米寿って、そんなすごいことありますか。
70人ほどいた児童のうち、今も連絡が取れるのは半分ほどと言うけれど、米寿で30人以上連絡が取れるって、
しかも担任の先生が元気でご存命って、もう本当に目からウロコです。
 
本家に嫁ぎながら子どもを授かれなかったことを申し訳なく思っている哲代さん。
それでも姪っ子たちがこぞって世話を焼いてくれるし、
持病で入院したり一時的に施設に入所したりしても感謝の気持ちを忘れない。
 
人に決して迷惑をかけないように心がけているわけではありません。
ひとりで生きるのには無理がある。だから、世話になればよいところは世話になる。
三食きちんと食べて、睡眠とって、大いに笑って、人を拒まず。
 
私はこんなに長生きできるとは思わないけれど、亡くなった母の姿とちょっとかぶったりなんかもして、
生きる原動力を伝授してもらえたような気持ちになりました。

—–

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次