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『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』
監督:大九明子
出演:萩原利久,河合優実,伊東蒼,黒崎煌代,安齋肇,浅香航大,松本穂香,古田新太他
 
封切り日、なんばへライブを聴きに行く前にTOHOシネマズなんばにて。
 
原作は、ジャルジャル福徳秀介が小説家デビューを飾った同名小説。
平日の昼過ぎなのに、若者から高年層までの客でほぼ満席。
テレビで頻繁に予告編が流れていたのかどうかは知りません。ジャルジャル人気のせいなのか。
それとも関西ロケだということが知れ渡っているのでしょうか。
 
『私をくいとめて』(2020)などなど、女優起用の上手い印象がある大九明子
 
関西大学に通う男子学生・小西徹(萩原利久)は雨の日も晴れの日も傘を差して歩く。
その理由を知っているのは唯一の友人・山根(黒崎煌代)のみ。
 
ある日、小西はキャンパスで見かけた女子学生・桜田花(河合優実)に心を奪われる。
なんとか彼女と話すきっかけを作ると、その後セレンディピティ(=幸せな偶然)に見舞われて何度もばったり。
わずかな期間でふたりの距離は縮まり、小西の日々に陽が差し込む。
 
そんな小西にずいぶん前から想いを寄せているのに打ち明けられずにいるのは、
小西と同じ銭湯でバイトする京都の女子学生・さっちゃん(伊東蒼)。
最近親しくなった女子学生(=花)のことを楽しそうに話す小西の表情を見て、彼は恋しているのだとさっちゃんは確信。
バイトの帰り道に思わず小西に告白しつつ、その気持ちをこの場で終わらせると宣言。
 
呆然とする小西だったが、それ以降なぜか花には会えず、さっちゃんもバイトに姿を見せなくなり……。
 
ジャルジャルのコントや漫才を舞台で何度か観ているから、本作はいかにもそんな感じがします。
「幸せ」を「さちせ」、「好き」を「このき」と読ませるというくだりは、正直言って苦手です。
小説で読むとそれほど抵抗がないかもしれませんが、映画でこの台詞を聞くと私はちょっとゲッ(笑)。
こういう表現を使う人とは感覚が違いすぎて親しくなれない気がします。
 
これを抜きにしても、全体的に台詞の言い回しが私には寒く感じられてのめり込めません。
銭湯のオーナー役の古田新太だけは、演技がオーバーであろうが何であろうがさすがと思わせるところがあるけれど。
 
萩原利久よりも河合優実よりも、本作でいちばんよかったのは伊東蒼じゃないかなぁ。
『世界の終わりから』(2023)で堂々の主役を張った彼女は、最近は脇役に回ることが多いけど、
「このき」の部分を除けば(そういう台詞なんだから仕方なし)、彼女の告白は心に訴えるものがありました。
 
松本穂香推しなので、彼女の出番が少ないのは残念至極。
と、いろいろ文句を並べてみたものの、関大、関大前、出町柳河原町など馴染みのある場所が映ったり、
南千里という地名が出てきたりしただけでも嬉しいのでした。

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