『おいしくて泣くとき』
監督:横尾初喜
出演:長尾謙杜,當真あみ,水沢林太郎,芋生悠,池田良,田村健太郎,
篠原ゆき子,安藤玉恵,美村里江,安田顕,ディーン・フジオカ他
モギリで駐車サービスを受けるさい、処理済みの刻印を見て疑われることが結構あります。
「すでにサービス受けているのに、不正に追加で処理してもらおうとしている奴やないか」ってとこですね。
だから、不審な表情をされる前に、それまでに観た作品のチケットを見せて「今日○本目です」と言うようにしています。
本作の入場時、「今日4本目です」と言ったら「4本目ですか。凄いですね。ありがとうございます」と言われました。
こちらこそありがとうございます。土日であろうが全部サービスを付けてくれる西宮ガーデンズ、本当にありがたい。
原作は森沢明夫の同名小説。横尾初喜監督の作品を観るのは私は初めてです。
耕平は、家庭の事情でおなかを空かせている子どもたちのために“こどもごはん”と称して食事を提供。
生活に困窮してやってくる子どものなかには、心也の同級生・新井夕花(當真あみ)と小学生の弟(矢崎滉)の姿もあった。
学級新聞委員を決めるとき、意地悪な女子たちが「部活をしていなくてヒマなのは夕花だけ」と言う。
足を負傷しているせいでサッカー部の部活を休んでいた心也と共に委員を押しつけられることに。
放課後の図書室で学級新聞の内容を打ち合わせがてら、ふたりの時間を過ごすようになるのだが……。
個人経営の小さな食堂でありながら来る人拒まずの姿勢を貫く耕平。
そこにやってくる子どもたちは学校に行けば貧乏だといじめられている場合が多い。
しかしそれだけではないということを知って驚きました。
食事を提供している側の人間も偽善者だと陰口を叩かれる。心也は偽善者の息子だとじめられるのです。
子ども食堂の経営者は金の余っている人というわけではありません。
本作の耕平も近所の農家などを回り、商品にならないような野菜を分けてもらえるよう頼んでいる。
それもいじめのもとになる。
父のことが大好きで、父がやっていることが善行に違いないのもわかっている。
けれど偽善者呼ばわりされて酷いいじめを受けるのはつらいから、もうやめてほしいのだとつい父に訴える心也。
一方の夕花は継父(池田良)から虐待を受けています。
継父のことは憎くても、彼の連れ子である幼い弟のことは放っておけない。
腹違いの幼い弟は、自分が父親と転がり込んだせいで夕花が辛い目に遭っていることをわかっているから悲しくて仕方ない。
ふたりで一緒に逃げて!と思うけれど、なかなかそんな決心はできないですよね。
ようやく決心した夕花ですが、その決心のせいで心也とは会えなくなってしまいます。
耕平の後を継ぎ、同じ地で子ども食堂を続ける心也(ディーン・フジオカ)。
やっと再会した夕花を尾野真千子が演じています。
あのときの味が記憶を呼び戻す。
生きていたらいいこと、ありますか。あると思いたい。
余談ですが、これを観た翌日、京都へ向かう電車の中で見かけた4人組の女子が嵐山へ花見に向かう様子。
私の隣でしゃべっているのが嫌でも耳に飛び込んでくる。
自分のことを「オレ」と言うし、友だちのことは「オマエら」と言う。女子やで、女子(笑)。
それはまぁええんですけど、最近近所にできたお店について話しはじめ、「子ども食堂できたで」。
「それ何?」「18歳までなら誰でもごはんタダで食べられる店」。ちゃうってばっ!(T_T)
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