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『死に損なった男』

『死に損なった男』
監督:田中征爾
出演:水川かたまり,唐田えりか,喜矢武豊,堀未央奈,森岡龍,別府貴之,津田康平,山井祥子,正名僕蔵他
 
前述の『知らないカノジョ』の次に、同じく109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
監督は『メランコリック』(2018)がすごく面白かった田中征爾。もちろんオリジナル脚本
水川かたまり初主演だからって大々的に宣伝しているわけでもなさそうで、
映画を劇場鑑賞する人が減ってほしくない私としては客入りが心配。これだって客はたった2人だし。(T_T)
 
構成作家の関谷一平(水川かたまり)は、憧れのお笑いの世界に身を投じることができたというのに、
その世界で疲れ果て、ある日、駅のホームで自殺を決意して飛び込もうとする。
ところが隣駅で人身事故が発生し、電車が止まって自殺は叶わず。
 
自分が死ぬはずだったのに、それができなかったのは隣駅で飛び込んだ男のせい。
その見知らぬ男=森口友宏(正名僕蔵)だと知った一平は、森口の葬儀の日を調べて通夜に参列する。
すると、帰宅した一平の前に森口の幽霊が現れてびっくり仰天。
 
森口の幽霊曰く、彼の娘である綾(唐田えりか)が元夫でDV男の若松克敏(喜矢武豊)につきまとわれている。
綾の身が気が気ではないから若林を殺してくれと言うのだ。殺害するまで一平のそばから離れないと。
 
一平はまもなく開催されるお笑いコンテストの脚本を執筆中で、今はそれに専念したい。
コンテストが終われば若林を殺すという約束を森口の幽霊と交わすのだが……。
 
お笑いを作り出す側だってお笑いが大好きなはずなのに、疲れ果ててしまっている。
どの芸人がどの構成作家を使うかなどもシビアなようです。
一平の人の良さが伝わってきて、なんだかとても切なくなったりも。
 
森口の幽霊から「なぜ死にたかったのか」と聞かれてすぐには答えられない一平。
死にたかったけど、その理由をすぐに説明することはできません。
一方の森口がなぜ自殺したか。本当は自殺ではなかったとわかるシーンは笑ってしまいました。
 
このキャスティングは最高だ。よくもこんなキャストを思いついたものです。
水川かたまり、正名僕蔵はもちろんのこと、唐田えりかもピッタリ。
あの騒動のあとのほうが良い女優になったように思います。
 
森口が元国語教師で、一平の脚本づくりに手を貸すなんていう設定も最高。
すっかり一平を追い抜いた後輩の構成作家(森岡龍)のくだりも好きです。人の悩みは外からはわからない。
ちょっと笑ってちょっとしんみり、そのバランスがとてもよくて大好き。

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