MENU

『映画 窓ぎわのトットちゃん』

『映画 窓ぎわのトットちゃん』
監督:八鍬新之介
声の出演:大野りりあな,小栗旬,杏,滝沢カレン,役所広司,
     松野晃士,石川浩司,ダニエル・ケルン,駒田航他
 
封切り日だった先週金曜日、109シネマズ箕面にて鑑賞しました。
 
誰もが知っているであろうタレント、トットちゃんこと黒柳徹子。御年90歳。
私と同世代の人であれば、久米宏と司会を務めた“ザ・ベストテン”のイメージが強いかと。
でも私の場合、それ以上には興味を惹かれることもなかったから、
大ベストセラーとなったこの原作も読んだことはありません。
それゆえ、彼女の生い立ちについては全然知らなくて。
 
父親はヴァイオリニスト、母親はエッセイスト。
本作を観るだけでは詳しいことはわかりませんが、良い家庭の生まれに思えます。
豪邸とは言わないまでも、東京・洗足駅に近い瀟洒な一戸建てに住んでいる。
 
おてんばが過ぎるというのか、今なら確実に病名を付けられそうな行動ぶり。
好奇心旺盛で、ひとところにじっとしていることができず、
学校の外をチンドン屋が通れば授業そっちのけで大声で呼んだりも。
尋常小学校の教師の手に負えず、ほかの児童にも悪影響を及ぼすからと追い出されてしまいます。
 
そんな彼女を受け入れたのは、トモエ学園という私立の小学校。
通っているのはいわば彼女同様に、「普通の学校」には居られない子どもたち。
いわゆる落ち着きのない子どももいれば、小児麻痺で身体に障害のある子どももいる。
でもこの学園の先生は、子どもの話にいつまででもつきあってくれる。
子どもがやりたいと思うことを否定しません。
 
すごいなと感動すらおぼえたのは、トットちゃんが便所に財布を落としたとき。
彼女は先生にそれを言ったりせずに、汲み取り式の便所の中をさらい始めます。
「何をしているんだい?」と彼女に聞く先生。彼女が答える。先生は「ふーん」と言うだけ。
「探し終わったら元に戻しておくんだよ」としか言わない。
結局財布は出てこなかったけど、「でもいいの、いっぱい探したから」と言うトットちゃん。
自分が納得するまでするのって大事なことなんだなぁと思うし、
何にも言わずにそこまでやり遂げさせるのってすごいことだなぁと思いました。
 
小児麻痺の泰明ちゃんとのやりとりも心に残ります。
家の中でも外でも腫れ物にさわるように接せられることが多かったのに、
トットちゃんは思ったことはズバッと口に出す。
「どうしてそんな歩き方なの?」と聞かれても、そこに裏がないのがわかるから素直に答えられる。
木に登ることもプールに入ることも最初からあきらめていた泰明ちゃんもトットちゃんと一緒なら。
 
時代は第二次世界大戦末期。当時の状況に想いを馳せながら。

—–

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次