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『きっと地上には満天の星』

『きっと地上には満天の星』(原題:Topside)
監督:セリーヌ・ヘルド,ローガン・ジョージ
出演:ザイラ・ファーマー,セリーヌ・ヘルド,ファットリップ,ジャレッド・アブラハムソン他
 
なんでしょう、先月今月の塚口サンサン劇場利用率の高さは。
この日もちょっと時間ができたので、思いきって向かう。
 
本作が長編デビューとなる監督コンビ、セリーヌ・ヘルドとローガン・ジョージ。
母親役をヘルド監督みずからが演じています。
娘役はこれがデビュー作となるザイラ・ファーマー。
 
ニューヨークの地下に潜って廃トンネル内で暮らす人びと。
シングルマザーのニッキーは5歳の娘リトルを抱え、ここで生活している。
 
ある日、見回りにやってきた市の職員たちが、人びとを追い出しにかかる。
リトルを取り上げられたくない一心で地上に逃げることを決意するニッキーだったが……。
 
わりと最近読んだ中山七里『帝都地下迷宮』を思い出しました。
廃トンネル内にはコミュニティがありますが、
『帝都地下迷宮』の場合は某事故のせいで日光を浴びることができなくなった人の集まりでした。
本作の場合は貧しさから地上で暮らすことをあきらめた人の集まり。
しかも、ニッキーはジャンキーで、地下でドラッグを売るジョンのもとへ通います。
 
カネがないならドラッグやめろと思うけれど、彼女はいわゆるシャブ漬けにされた人。
その生活から逃れてきたのでしょうに、稼ぐすべがない。
稼ぐすべはないのに、ドラッグを完全に断つことはできません。
 
地上に出たところで、リトルを連れて逃げ回るには限界があります。
売人とはいえ善人のジョンは、リトルの将来を心配し、
子どもがちゃんと学校に通えるように考えるべきだと言います。
 
地上を歩き回る途中でニッキーとはぐれてしまったリトル。
泣き叫びながら愛娘を探すニッキーの最後の選択はつらいけど賛成。
 
残念なのは、このラスト以外はニッキーがただ走り回っているだけの作品だということ。
だからかなり退屈です。
子どもを手放したくない母親の姿を捉えればこんなふうになるのは当然とも言えるけど。

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