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今年観た映画50音順〈や行〉

《や》
『ヤツアシ』
2021年の日本作品。12分の短編。Amazonプライムビデオにて配信。
1本として数えていいかどうか迷うところですが、1本は1本ということで。
東望不動産会社に中途入社した津村。
八芦(ヤツアシ)という社員が「タコ」と呼ばれて虐められているのを知る。
八芦が数日間の無断欠勤した後、東京の街なかに巨大なタコが出現。
東望へと向かって這ってきたそれは、社員たちに食らいついて殺害。
その後、海へと戻っていったタコは消滅するのだが……。
タコは八芦でした。はぁ、そうですか。
タイトルの文字は懐かしの怪獣映画の雰囲気で、
タコのぬらぬらした感じは気持ち悪くて面白かったけど、12分では評価しづらい。
 
《ゆ》
『許された子どもたち』
2020年の日本作品。
『先生を流産させる会』(2011)の内藤瑛亮監督が少年少女を対象にワークショップを開催。
いじめや少年犯罪をテーマに自主制作で撮ったそうです。
中学1年生の絆星(きら)(上村侑)は不良のリーダー。
ある日、手下の3人を引き連れて河川敷へ。
同級生の樹(阿部匠晟)を呼び出し、樹に作らせたボウガンで遊ぶ。
そのボウガンを手下の1人に向けたところ、咄嗟にかばって樹が前へ出る。
樹の態度を反抗的とみなした絆星はボウガンを発射。
矢の割り箸が樹の首に突き刺さり、樹は死亡。絆星たちはすぐに逃げ出すのだが……。
観るのをやめようかと思うぐらい、最初から嫌な作品でした。
自分の罪を認めない嘘つき少年。真実を話す仲間の少年に嘘をつかせる弁護士。
母親が自分の息子を信じて疑わないのはそうかもしれないけれど、
およそ同情したくはない母親で、もう嫌なものだらけ。
巧みな作戦によって絆星は無罪放免となるけれど、外に出て今度は逆にいじめられる。
もちろん可哀想だなんて思えません。
犯罪者の社会復帰に世間は厳しいことを描きたかったのなら、
絆星は殺人を犯しておいて罪を償わず、嘘を突き通したのですから、話が違う。
だから、本当に殺人犯の絆星がボコられるのはいい気味でしたが、
いやいや、彼は無罪だったのだから、ボコられるのはおかしいやろ。
いろいろとちぐはぐな気がして釈然としないし、とても苦手な作品でした。
 
《よ》
『欲ばりなだけの恋じゃなくて』(原題:Sul Piu Bello)
2020年のイタリア作品。Netflixにて配信。
マルタは嚢胞性繊維症という難病患者
主治医は余命をはっきりとは言ってくれないが、きっとそう長くは生きられない。
両親はマルタが幼い頃に家だけを遺して他界。
今はそこに親友のヤコポ(♂)とフェデリカ(♀)と3人で暮らしている。
どうせならやりたいことをやりたいと、マルタは理想の相手を探し中。
ある日、どストライクのイケメン、アルトゥーロに一目惚れし、彼のストーキングを始める。
それに気づいた彼から声をかけられ、ディナーに誘ってくれたらストーキングをやめると約束。
いそいそと指定の時間に彼の自宅へ赴いたところ、用意されていたのは彼の家族とのディナー。
しかも彼は御曹司で、風変わりなマルタに両親は好印象を持たず……。
難病患者の悲恋物語とは一線を画します。ポップな色使いに『アメリ』(2001)を思い出したりも。
マルタのバイトはスーパーの特売商品宣伝のアナウンス係というのも楽しい。
こんなアナウンスが店内に流れたら、確かにその商品を買いに走りたくなるでしょうね。
マルタとアルトゥーロの質問ゲームで、「今日は期待どおりだったか」という質問への答えが「期待以上」。
はい、本作にはまったく期待していなかったのに、期待以上でした。
でも配信中の続編『もっと、欲ばりだけの恋じゃなくて』の評判は散々なようです。

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