『淀川アジール さどヤンの生活と意見』
監督:田中幸夫
12月に観た映画の続きに戻ります。
前日に『タイトル、拒絶』でデリヘル嬢の話を観て、
この日は同じくナナゲイでホームレスの話を。
デリヘル嬢の話はフィクションでしたが、こちらはノンフィクション。
ドキュメンタリー作品です。
大阪淀川河川敷の掘立小屋に暮らす70歳の男性、さどヤン。
20年前からこうして暮らしているそうです。
淀川でシジミが採れるとは知らなんだ。ハゼも釣れる。
さどヤンの生活は基本的に自給自足ですが、
ビールやら肉やら携えて彼のもとを訪れるひと多数。
時には街に出て、アルミ缶を集めて売ります。
清掃の仕事に出ることもあります。5千円ちょっともらえるらしい。
必要なものは何でも自分で作る。
おかげで掘立小屋といえども、えらく広くて立派。
お役人からは「ひとり暮らしやのに広すぎる」と嘆かれるそうです(笑)。
俺が死ぬまで辛抱してと笑うさどヤン。
知人友人が企画してくれた誕生パーティー開催中、巡回に来たおまわりさん。
ためらう皆に、おまわりさんは「やめろって言いに来たわけやないから続けて」。
なんか可笑しい。
河川敷に捨てられる動物も多いらしい。
さどヤンと生活を共にするのはそんなうちの犬の1匹。
片足のもげた鳩もさどヤンと長いつきあい。
台風で小屋が飛ぼうが悲観しない。
潰れたらまた作り直せばいいからと。
人間の仕事は「生きること」。
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