『サラブレッド』(原題:Thoroughbreds)
監督:コリー・フィンリー
出演:オリヴィア・クック,アニャ・テイラー=ジョイ,アントン・イェルチン,
ポール・スパークス,フランシー・スウィフト他
「映画の日」に休みを取って4本ハシゴの2本目。
大阪ステーションシティシネマにて。
「サラブレッド」の綴りが“Thoroughbred”であることを初めて知りました。
だって、こんな英単語を使うことってまずないし。(^^;
衝撃的なのは脇役で出演しているアントン・イェルチンが、
3年前、自宅の門に取り付けられた郵便受けと車の間に挟まれて、
まだ27歳だったのに急逝したということ。
車はエンジンがかかったまま、ギアはニュートラル。
軽い怪我で済んだなら後から笑い話にでもなったでしょうに、亡くなってしまうとは。
遺作となった本作は昨年アメリカで公開され、
エンドロールには“In Memory of Anton Yelchin”と追悼が捧げられています。
長らく疎遠だった幼なじみの少女、アマンダとリリー。
ある日、アマンダは豪邸に暮らすリリーを訪ねる。
アマンダの勉強を見てやってほしいと、彼女の母親がリリーに頼んだから。
笑顔を繕うリリーと無表情なアマンダの間にぎこちない空気が流れる。
共通点などまるでないと思われるふたりだったが、
リリーが継父マークに対して不満を溜め込んでいることがわかると、
アマンダはあっけらかんとしてマーク殺害を提案。
そう言われても、自分が犯人であるとバレないように殺害するにはどうすればよいのか。
アマンダに相談したリリーは、チンピラのティムを雇うことを思いつき……。
冒頭から嫌な雰囲気の漂う作品です。
ふたりの関係性がわかるまでにかなりの時間を要します。
休暇でもないのになぜふたりとも学校に行かないのかも不思議。
それがだんだん明らかになる過程が面白い。
アマンダはどう見ても偏屈で、キモイのを自認。
演じるオリヴィア・クックは可愛い顔立ちで、その表情の無さが余計に不気味。
どうやら彼女は飼っていた馬を残忍に殺し、動物虐待の罪に問われているらしい。
アニャ・テイラー=ジョイ演じるリリーは、名門学校を退学させられたことがわかります。
アマンダには嘘をついているけれど、彼女は全部お見通し。
継父が死んでしまえばいいと思っていることまですぐに悟られてしまうのですから。
ティム役がアントン・イェルチンで、なんとも情けないチンピラ役がピッタリ。
ジャンキーみたいな顔つきだから、オーバードーズで亡くなったかと思ったほど。
明るさのかけらもない作品ですが、美少女ふたりの共演に目が釘付け。
こんな年齢の頃から、女って怖い(笑)。
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