『アイネクライネナハトムジーク』
監督:今泉力哉
出演:三浦春馬,多部未華子,貫地谷しほり,原田泰造,矢本悠馬,森絵梨佳,恒松祐里,
萩原利久,成田瑛基,八木優希,こだまたいち,MEGUMI,柳憂怜,濱田マリ,藤原季節他
とてもとても楽しみにしていた本作。
TOHOシネマズ梅田別館にて。
原作を読んだときに書いたレビューはこちら。
登場人物の相関図がほしくなるぐらいややこしかったのに、
映像化するとどういうことになるんだと思いながら。
作詞はできないけれど小説なら書けると言って
伊坂幸太郎が書き上げたのがこの原作。
それを読んだ斉藤和義が作った曲が『ベリーベリーストロング〜アイネクライネ』。
原作を読んだ後にこの曲を聴いたとき、泣きそうになりました。
今泉力哉監督はその感動を再来させてくれるか。
マーケットリサーチ会社に勤める佐藤(三浦春馬)。
どう見てもモテそうにない親友の織田(矢本悠馬)は、
皆のマドンナだった由美(森絵梨佳)を射止めて結婚。
子どももふたりいる織田に「出会いがない」とぼやくと、一喝される。
そんな劇的な出会いなんてあるわけがないと。
あるわけがない劇的な出会いをして結婚したのが
佐藤の会社の先輩である藤間(原田泰造)。
しかし藤間は妻子に突然逃げられ、絶望を漂わせている。
彼女の弟の話し相手になってやってほしいと言われる。
最初は仕方なく電話を取るが、次第に彼と話していると落ち着くことに気づく。
電話だけの間柄からそろそろ会いたいと思いはじめたとき、
彼からしばらく仕事を頑張るから会えないとの連絡が。
一方、佐藤は悲嘆する藤間がやらかしたミスの尻拭いに、
街頭アンケートに立つようにと上司から命じられる。
回答に応じてくれたのが求職中の紗季(多部未華子)で……。
と、ここまでは書いてみましたが、ほかにも登場人物いっぱい。
途中で舞台はいきなり10年後の話になり、原作未読の人は戸惑うかもしれません。
けれど、一気に読まないと誰だ誰だったかわからなくなる原作と違い、
映画はずいぶんとわかりやすい。
斉藤和義の『ベリーベリーストロング』に泣いた者としては、
その曲が主題歌ではないことがちょっと寂しい。
『ベリーベリーストロング』はインストルメンタルで流れるだけ。
「絆の話だよ♪」って聴きたかったよぉ。
路上で歌うサイトウさんは、原作のイメージではない。
それなりにインパクトはあるけれど、曲を作ってくれないし(笑)。
原作で好きだった免許の更新で5年に1回会う話もなくて、
それもちょっと寂しかったです。
原作を好きすぎて、いろいろと物足りないところもあったのですが、
たぶんこれ以上エピソードを入れると詰め込みすぎ。
ちょうどいい具合だと思いました。いっぱいほろりと来た。
この人たちみ〜んなどこかで繋がっているなんて、すごくないですか。
現実だってきっとそう。みんなどこかで繋がっている。
そして私は今日も『ベリーベリーストロング』を聴く。
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