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『夏、19歳の肖像』

『夏、19歳の肖像』(原題:夏天19歳的肖像)
監督:チャン・ロンジー
出演:ファン・ズータオ,ヤン・ツァイユー,リー・モン,カルヴィン・トゥ,
   チャン・クォチュー,スタンリー・フォン,チュウ・チーイン他

この日、シネマート心斎橋へ行ったのは本作を観たかったからでした。

島田荘司の同名小説が中国で映画化されるとは。
しかも最近の作品ではないのですから、どういう目の付けどころなのか。
原作のレビューはこちら

監督は『光にふれる』(2012)、『共犯』(2014)のチャン・ロンジー。
主演のファン・ズータオがえらく人気のあるひとらしい。
中国出身の歌手で、韓国の男性アイドルグループ“EXO”の旧メンバーでもあるそうな。
確かに美形ですけれど、入場者特典のポスターをもらっても私は困る。(^^;

大学生カン・チャオは、バイクで走っていた折りに事故に遭う。
脚を骨折してしばらく入院生活を送ることに。
同じ大学の医学部にかよう女子学生で病院長の娘ジュー・リーと、
彼女に片想い中の男子学生ジャオ・イーがしょっちゅう見舞いに来てくれるものの、
特に何もすることがない毎日がヒマでたまらない。

そんなとき、病室の窓から向かいの工事現場を見ると、
その隣の豪邸に若い女性がいるのを発見。
ジャオから借りた望遠鏡で邸の中を覗くと、想像を遙かに超える美人。
カンは一目で恋に落ちる。

それから毎日、彼女を眺めるのがカンの日課となっていたのだが、
ある日、彼女が父親らしき男にナイフを突き立てるところを目撃。
夜になると、母親らしき人物と共に彼女が黒いビニール袋を運び出し、
工事現場の土を掘り起こして埋めるところまで見てしまう。

警察にすぐに通報すべきところ、そうしなかったカン。
それどころか彼女への想いは募るばかり。
彼女と知り合いになろうと、付近のカフェなどで彼女について調べはじめ、
名前はシア・インインであることを突き止める。

退院後、彼女のあとをつけたカンは、彼女が勤める会社でアルバイトの職まで得る。
やがて彼女と話す機会が訪れるのだが……。

原作が最初に出版されたのは今から30年以上前。
全面改訂されたというものの、時代はずいぶん変化しています。
だから、現在に合わせた話にしようとすると、
さまざまな面で変更せざるを得ず、登場人物すら原作とは異なります。

原作の主人公は文面から想像するに、そんなにイケていない(笑)。
映画版では超イケメン。
イケメンだからってストーカーは許されないけれど、
ファン・ズータオが演じれば気持ち悪くも怖くもなくて許されてしまう。

それにしたって、真相はかなり茶番で苦笑い。
原作ではナイフが突き立てられる場面は見逃していて主人公の想像にすぎないところ、
映画版では全部見たけど実はこうでしたという話になっていて、
「マジで?はぁ?」と言いたくなるような展開です。

ま、これはファン・ズータオを見る作品なのでしょうね。
これが醜男とブスでやっている話なら、ちっとも嬉しくないから。(^o^;
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