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『追想』

『追想』(原題:On Chesil Beach)
監督:ドミニク・クック
出演:シアーシャ・ローナン,ビリー・ハウル,アンヌ=マリー・ダフ,
   エイドリアン・スカーボロー,エミリー・ワトソン,サミュエル・ウェスト他

夏休み中は嬉しい。
学生じゃないんだから、車で通勤する人の数はふだんと変わらないはずなのに、
チャリで横切る高校生がいないせいか、平日の道がいつもよりは空いている。
休日も朝早い時間帯なら車すくなめでキタやミナミまでスイスイ。
しかも夏休み中以外ならありえない7時台からでも上映する映画あり。
あ、劇場によりますね。大阪ステーションシティシネマは早いよ~。

7時台から上映しているのは『BLEACH』で、すでに観たやつだったから、
8時過ぎ上映開始の本作を観ることにしました。
前日はココでそこそこワインを飲んだから、起きるのは辛かったけれども。

原作はイアン・マキューアンの『初夜』で、彼自身が脚本を手がけたそうです。
同じマキューアン原作の『つぐない』(2007)が好きでした。
そのとき子役で鮮烈な印象を残したシアーシャ・ローナンもすでに24歳。
最近の主演2作、『ブルックリン』(2015)と『レディ・バード』(2017)がどちらも似たような印象で、
これも予告編を観る限り、そないに変わらん感じ。
だから、期待はあまりせず、かといってスルーもできずで選択。

1962年の夏、イギリス。
工場経営者の父親を持つお嬢様育ちのフローレンスは、ヴァイオリンの名手。
音楽で優秀な成績を収めたのち、友人たちとエニスモア四重奏楽団を結成。
いつの日かウィグモアホールでコンサートを開く夢を持っている。

田舎で平々凡々とした暮らしを送るエドワードは、歴史学者を目指して勉強中。
その歴史で良い成績を取ったことを誰かに聞いてほしいのに、
脳に障害のある母親にはまるで通じず、幼い妹たちも無関心。
とにかく話し相手を見つけようと出かけた先でフローレンスと出逢う。

お互いに一目惚れしたふたりが家庭環境の違いを乗り越えて、ついに迎えた結婚式。
挙式後にドーセット州チェジルビーチ(=原題)のホテルにチェックイン。
初夜を迎えるはずが……。

長く交際しているのに、結婚式の日までお預けを食らわされていたエドワード。
一方、彼のことを深く愛しているのに、セックスへの嫌悪感を消せないフローレンス。
結婚式の6時間後の彼女の提案を彼はどう受け止めるか。

まったく退屈はしなかったのですが、乗れない。
メロドラマ風の展開でしかもセックス絡みの話だと、
男女とも、好きなタイプの顔じゃなければツライ(笑)。
フローレンス役のシアーシャ・ローナンは良しとして、
エドワード役のビリー・ハウルの顔が私のタイプから遠すぎる。
歴史で良い成績を取ったというけれど、口はいつも半開きで阿呆っぽい(スミマセン)。
知的という言葉からはかけ離れていて、困ったなぁと思いながら観ていました。

その思いがラスト15分で一転。
十数年後に普通の中年男となったエドワードは断然いい。
彼が経営する店にやってきてレコードを買い求める少女。
期せずして涙ぽろり。こんな最後が待っていたとは。
その後の老けメイクはやっぱりちょっと苦手だったけれど、観てよかった。

チープ・トリックが聴きたくなる。
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