『ストレイヤーズ・クロニクル』
監督:瀬々敬久
出演:岡田将生,染谷将太,成海璃子,松岡茉優,白石隼也,高月彩良,清水尋也,
鈴木伸之,栁俊太郎,瀬戸利樹,黒島結菜,豊原功補,石橋蓮司,伊原剛志他
当日の朝まで本作を観るべきかどうか相当悩みました。
駄作との評判高いものをわざわざ観に行くのはどうなのよと。
しかし、ちょうどこの日、阪急百貨店西宮店に友人の息子が絵を出展中。
ハシゴの1本目を『チャイルド44 森に消えた子供たち』、
2本目を本作にすれば、絵を観る時間に30分以上取れるやんかと本作に決定。
原作は本多孝好の同名小説。
この作家さんはとても人気があるようですが、私はどうも惹かれない。
これまでに読んだ中編集『MISSING』とかアンソロジー『I LOVE YOU』の所収作品とか、
どれも嫌いじゃないけれど、心には残らず。
映画化された長編『真夜中の五分前』の原作もきっとそんな気がします。
私が知っているそれらの作品とは異なるイメージの本作、
期待どおりにスベってくれるかどうか楽しみだぁ。
1990年代初め、ある極秘機関がおこなった2つの実験によって生まれた子どもたち。
片方の実験は、被験者となる親の脳に強いストレスを与えて異常なホルモンを発生させる。
この実験で生まれた子どもたちは、人間の潜在能力をフルに発揮する反面、
脳に多大な負荷がかかるため、成人する頃に“破綻”と呼ばれる精神崩壊が起きる。
もう片方の実験は、遺伝子操作によって人間にはない特殊能力を持って生まれた子どもたち。
身体への負荷が大きいため、老化が非常にはやく、20歳代前後までしか生きられない。
前者“チーム・スバル”のリーダーは、人の動きを読むことができる昴(岡田将生)。
一度見たものをすべて記憶する能力を持つ良介(清水尋也)、
常人離れした腕力を持ち、痛みを感じない亘(白石隼也)と暮らしている。
しかし、亘が突如破綻したのをきっかけに、
かつては共に暮らし今は里親と平和に暮らす隆二(瀬戸利樹)、沙耶(成海璃子)に会いに行く。
一方、後者“チーム・アゲハ”のリーダーは学(染谷将太)。
高周波で敵を探索する碧(黒島結菜)、敵を麻痺させる能力を持つ静(高月彩良)、
鉄鋲を口から連射することができるモモ(松岡茉優)、
超高速移動可能な壮(鈴木伸之)、全身硬化するヒデ(栁俊太郎)という面々は、
夜な夜な街に繰り出しては人を殺している。
ある日、昴たちに接触を試みてきたチーム・アゲハ。
両チームの子どもたちの誕生に関わった渡瀬(伊原剛志)は、
学を生け捕りにするようにと昴に命じるのだが……。
スベるスベると思っていると、楽しく観られるものですねぇ(笑)。
笑いも感動もなければ、無駄に長くてツッコミどころ満載。
詰まるところ、公園のベンチで自殺した妻を誰も気にかけてくれなかったと言いつのる渡瀬の、
人類を巻き込んだ無理心中計画かよっ!と。
でも睡魔には襲われずに最後まで鑑賞。
わりと好きな青木崇高が冒頭にちょっとだけ出演していたり、
渡辺謙の息子・渡辺大が一瞬にして静に殺されたり、
忍成修吾がテロに失敗する犯人役だったり、
本郷奏多が碧に想いを寄せて玉砕する隣の大学生だったり、
ちょこちょこ顔を見せるのが楽しいキャストです。
私は壇蜜の『アラサーちゃん』で知った“ゲスの極み乙女。”。
彼らが演奏するエンディング曲の歌詞、エンディングロール中の台詞が○。
「何とかならないことなんて、何もないから」。
そう、何とかなる。
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