『まほろ駅前狂騒曲』
監督:大森立嗣
出演:瑛太,松田龍平,高良健吾,真木よう子,本上まなみ,奈良岡朋子,
新井浩文,三浦誠己,麿赤兒,大森南朋,岸部一徳,永瀬正敏他
TOHOシネマズ西宮にて2本ハシゴの2本目。
楽しい楽しい三浦しをん。
『まほろ駅前多田便利軒』(2011) は原作・映画ともに良く、
それ以上に好きだったのがすでに文庫化されている『まほろ駅前番外地』。
私が観そびれたその『番外地』のTV版はどうだったのかしらん。
大きめのスクリーンでそこそこの入り。
日頃はあまり見かけない、何に惹かれてきたのか不明の男子中学生4人組。
上映前にはかなり騒々しくて嫌な予感がしていましたが、
始まってみれば共感能力高し、いい具合にウケていて好ましかったです。
東京郊外まほろ市の駅前で便利屋を営む多田(瑛太)。
なぜか転がり込んできた同級生の行天(松田龍平)と暮らしはじめて3年。
やはり不可解な行天だが、それなりに多田の仕事を手伝っている。
今日も横中(よこちゅう)バスの間引き運転を疑う岡(麿赤兒)の依頼で、
一日バス停に張りついて、バスの運行時間を確認。
岡の家の向かいの土地では、無農薬野菜を栽培するHHFAという団体が作業中。
ボランティアの人たちと挨拶を交わす多田と行天。
そんなある日、行天の元妻である凪子(本上まなみ)からとんでもないことを頼まれる。
医師の凪子は仕事で1カ月半の間アメリカへ行くことになり、
その間、行天との娘はる(岩崎未来)を預かってほしいと言うのだ。
娘といっても、行天はレズビアンの凪子に精子を提供しただけ。
子ども嫌いを公言する行天は、生まれた娘とはいっさい関わらない約束だった。
しかし、ほかにどこにも頼れるところはなく、どうしてもと懇願される。
子どもを預かる、それがはるであるとは言えないまま、凪子出発の日に。
最初は自分の姪だと多田は嘘をつくが、すぐにバレて行天がキレる。
それでもなんとか取りなして、はると3人の生活がはじまる。
一方、まほろ市の裏社会で幅を利かせる星(高良健吾)からも依頼が舞い込む。
ヤクザの若頭・飯島(新井浩文)が星に聞かせた話によれば、
親分がHHFAの幹部・小林(永瀬正敏)と手を組んで儲け話を企んでいるらしい。
ヤクザの面子にこだわる飯島は、親分にそんな話に乗らせたくはない。
HHFAのアラを探してこの話を潰したいとのこと、そのアラ探しが多田便利軒に委ねられる。
こうして厄介事に巻き込まれるはめになった多田と行天は……。
それなりに楽しいですが、劇場で観るほどのもんではなかったかなぁと。
共感能力の高い男子中学生のおかげで結構笑いましたけど。
彼らがいちばんウケていたのは麿赤兒のふんどし姿。
ちょっとカマっぽい弁当屋の山田役、大森南朋と親子だと知っていたかどうか。
ドタバタしすぎて、まとまりに欠ける印象を持ちました。
こうなると、『荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて』同様、
豪勢なキャストを楽しむよりほかありません。
上記の面々以外では、多田が想いを寄せる亜沙子役に真木よう子、
煙草に文句をつける通りすがりの女に伊佐山ひろ子、
刑事役には岸部一徳と三浦誠己と古川雄輝、バスの乗客に松尾スズキ。
新井浩文や大森南朋がそうであるように、大森立嗣監督作品の常連、
宇野祥平や大西信満もサッカー少年の同伴者やHHFAの会員役などで出演しています。
たいしたことはなくても、後味が悪くない作品は良いもの。
まぁこんなものだということで。
—–