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『チェイス・ザ・ドリーム』

『チェイス・ザ・ドリーム』(原題:At Any Price)
監督:ラミン・バーラニ
出演:デニス・クエイド,ザック・エフロン,キム・ディケンズ,マイカ・モンロー,
   ヘザー・グレアム,ベン・マーテン,クランシー・ブラウン他

2012年のアメリカ作品で劇場未公開、DVDレンタル開始したばかり。
アイドル顔すぎてイマイチ好きになれなかったザック・エフロンですが、
『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』がとても良かった。
彼とデニス・クエイドが親子役というのに惹かれ、
タイトルからして爽やかな作品を想像していたのですけれども。

アイオワ州で農場を経営するヘンリーは、事業拡大のチャンスと見れば、
面識のない住民の葬式にも参列し、農場買い取りの契約をまとめるやり手。
長男グラントのために新しく農場を買い取るが、
当のグラントは放浪の旅に出たまま帰ってこない。
仕方なく次男ディーンに仕事を教え込もうとするが、
農場を継ぐ気は毛頭ないディーンはストックカーレースに夢中、
いずれはプロのカーレーサーになりたいと思っている。

ヘンリーと妻アイリーンの夫婦仲は悪くないものの、
ヘンリーにはメレディスという愛人がいて、密会を重ねている。
アイリーンにそれがバレていることにヘンリーは気づかない。
しかも、メレディスはディーンにも色目を送って寄越すから、
ディーンの恋人ケイデンスは気が気ではない。

ある日、ディーンの走りに目を止めたARCA(NASCARの手前)のチームが、
1レース走らせてやると言ってくる。
アイリーンがこっそり用意した金で出場するディーン。
序盤は快走を見せるが、恐怖心から後退してしまい、惨憺たる結果に。

同じ頃、ヘンリーが不正を働いているとの密告があり、
種子の販売元会社の調査員が突然やってくる。
毎年新しい種子を購入することが義務づけられているが、
金を貯めるためにヘンリーは種子を洗浄して再利用していたのだ。
密告者を突き止めようとヘンリーは躍起になるのだが……。

DVDジャケットにはザック・エフロンのレーサー姿。
「いざ、戦いの舞台へ」なんてキャッチコピーが添えられています。
農場を継がせたい父親と、レーサーを目指す息子の確執の物語だと思ったら、
「夢を追う」だなんていう邦題はズレまくり。
原題の意味である「どんな代価を払おうとも」ならば納得。

以下ネタバレです。

ディーンはARCAで一度走った後、メレディスに誘われてしけ込み、
それをケイデンスに見られて破局。
まったく、ケイデンスはいい娘だったのに。(;_;)
メレディス役が美魔女っぽいヘザー・グレアムというのがなんともビミョー。

そんな折りにヘンリーの不正を知らされ、今度はディーンが必死になります。
嫌いだった父親だけど、レース前に余計なことを言わないように
一応自分に気を遣ってくれたようだ、父親に仕事を失わせてはいけないと、
密告者だと踏んだ人物の息子ブラッドに会いに行きます。
そこでもみ合いになってブラッドを殺してしまうという。(–;

ディーンから連絡を受けたヘンリーが現場に駆けつけ、親子で死体を始末。
殺人を隠蔽したまま終わるのでした。

そこそこ有名どころが出ているのになぜ未公開?と疑問に思っていましたが、
こんな終わり方だと売り方がむずかしい。
個人的には『フード・インク』(2008)で知って驚いた種子の洗浄について、
こんなことになっているのかという点は興味深く観ました。

殺人を隠蔽し、秘密を共有することでしか保てない父子の絆。
家業を継ぐことの大変さも感じられて、つまらなくはなかったけれど、
あのジャケットと惹き文句はほとんど詐欺。もやもやします。(^^;
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