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『ブラック・リスト』

『ブラック・リスト』(原題:The List)
監督:クラウス・ハットマン
出演:アンソニー・フラナガン,シエンナ・ギロリー,クライヴ・ラッセル,
   ビル・パターソン,ナイジェル・プラナー,ミンガス・ジョンストン他

これも今月初めにDVDレンタルが開始された2013年のイギリス作品。
同じ未公開でも前述の『パーフェクト・プラン 完全なる犯罪計画』と異なり、
知っている俳優は全然いなくて、地味すぎる。
これまたネタバレ全開で。

若き実業家のクリスは、“The List”を運営するコーウィン社のオーナー。
“The List”は、腐敗した経営者や政治家を投票でランクづけるサイト。
世間はこのランキングに大注目、年間の話題賞も与えられて、
スポンサーとして名乗りを上げる企業が引きも切らない。

ある日、ランキング1位となった経営者メーランが何者かによって拉致され、
その殺害シーンが動画サイトに投稿される。
遺体は見つからず、殺害場所も特定されないまま。

クリスと親しい間柄の中年警部レッグのもとへ、
特別捜査班のブラウンとスミスが送り込まれる。
彼らはクリスを容疑者と考えているらしく、氷のような態度。

レッグはクリスにただちにサイトを閉鎖するように忠告するが、
クリスはそんなことはできないと言い張る。
とりあえずは家族を安全な場所へ移動しようと、
妻のアリソンと子どもたちを連れて、信頼のおける友人ピーターが用意する家へ。

夜中にひとりでコーウィン社へ向かう途中、クリスは襲撃に遭う。
危うく殺されそうになったところを謎の男に救われるが、
その男テッドは、クリスにこう言う。
「君の行為は尊敬に値するが、ランキングに深刻さが足りない。
1位になった者は必ず殺されるのだと思わせなければいけない」と。

どうやらテッドが犯人で、以降も1位の者を殺すつもりのようだ。
そうこうしているうちに、新たに1位となった政治家のボウラーが殺され、
やがてクリスの弟を死なせた医師ヴィッカリーも殺されてしまう。
ブラウンとスミスはクリスを犯人と断定、
レッグにただちに捕らえるようにと通告するのだが……。

なんとも不親切で説得力に欠けた話です。
クリスの弟が死に至った経緯は皆目わからないし、
認知症とおぼしき母親を抱えるテッドの様子はちょっと『サイコ』(1960)っぽくもあるのですが、
彼が以前は何をしていてどうしてこんな行為に走るのかも不明。
説得力という点ではハチャメチャでも『クエスチョン』のほうがずっと上、
動機がまったくわからん点では『ATM』並みですが、
『ATM』のほうがぶっ飛んでいて笑えたもん。

結局、クリス自身がランキング1位となってテッドをおびき出すことに。
しかし、そこには最初にクリスを襲撃した男であるヘンリーも現れ、
いったい誰が誰の手先なんだか意味不明。

クリスを撃とうとしているヘンリーをテッドが射殺。
テッドが「例外はつくれないから」とクリスを縛りあげ、
動画サイトへ投稿する準備をしているところへ、アリソン登場。
その後、誰かがクリスを撃ったとおぼしきシーンが動画サイトへ。
これまで同様、遺体は見つからず、事件はお蔵入りとなるわけですが。

浜辺にたたずむアリソンにそっと近づくクリス。
世間には死んだと思わせて生きていたっちゅう見え見えのオチ。

んで、どうしたかったんですかね。
世界を変えるよりも家族を守るほうを選んだということでオッケー?
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