『パーフェクト・プラン 完全なる犯罪計画』(原題:Thin Ice)
監督:ジル・スプレカー
出演:グレッグ・キニア,ビリー・クラダップ,アラン・アーキン,
デヴィッド・ハーバー,リー・トンプソン,ボブ・バラバン他
劇場未公開、WOWOWにて放映された2011年のアメリカ作品。
今月初めにDVD化、レンタル開始となりました。
未公開作品をわざわざレンタルして観る人は少ないだろうと思うと、
毎度のことですが、ついついネタバレ全開で行きたくなります。
結構な顔ぶれですから観たい人もいるかも。ご注意ください。
雪深いウィスコンシン州の田舎町で保険の代理店を営むミッキー。
過去には成績優秀で表彰されたこともあるが、ここのところさっぱり。
妻とは別居、仮住まいのモーテルの宿泊費も滞納していてヤバイ。
ある日、保険セールスマンが集うパーティー会場のホテルで、
ライバルたちの働きを見聞きしてさらに凹むミッキーは、
その晩、飲みに入ったバーで、陽気な女から誘われる。
部屋に入れた後しばらくして記憶がなくなり、起きたときには財布がない。
ホテルの支払いに困っていると、昨日バーで見かけたボブという男が。
彼はかつてミッキーのセールスの講義を受講したと言い、親切にも金を貸してくれる。
また、実直そうな彼は、ミッキーのライバルに雇われることが決まったところらしい。
ミッキーはライバルの待遇より高い報酬を払うとボブに約束。
喜んだボブはすぐさまミッキーのもとで働くことに。
ボブは次々と契約を取ってくるが、契約者の不利にならないように気を遣いすぎる。
嘘八百並べても契約者から金をふんだくるべきだと思っているミッキーは、
ボブが契約を取りかけている独居老人ゴルヴィー宅をこっそり訪問。
実際には支払われるとは到底思えない額の保険を勧める。
ところが、ゴルヴィーが所有するバイオリンが希少価値のあるものだと知り、
本人がそれに気づいていないのをいいことに、
そのバイオリンをすり替えてしまおうと考えるのだが……。
ここから思いっきりネタバレです。
ゴルヴィーが家を空ける折りに、セキュリティー会社の作業員ランディを呼び、
言い訳をして防犯装置を解除、バイオリンを盗みだしたところへ隣人フランクが。
すったもんだしているうちにランディがフランクを殴り殺してしまいます。
ランディはフランクの死体を切り刻んで氷の下へ捨てますが、
バイオリンを盗んだ証拠を握られているミッキーは、金をよこせとランディから脅されます。
出来心からドえらいことに膨らみ、にっちもさっちも行かなくなるミッキー。
グレッグ・キニアは慌てふためく姿がよく似合う。
オチはわりと最初から読めるのではないかと。
冒頭で登場するボブがとにかくいい人すぎて怪しい。
これってミッキーのほうが騙されているんじゃないのと思ったらそうでした。
ボブもゴルヴィーもランディもフランク(←実は殺されていない)も、
そしてバイオリンの鑑定をするレオナードもみんなグル。
顧客をいい気分にさせて契約をもぎ取る。
そんな話術を伝授していたはずのミッキーが見事に騙されるというわけ。
もうミッキーが本当に嫌な奴で、いい気味としか思えません。
誠意がなければセールスは務まらない。
そして、たとえ保険でも、心の平安に値段は付けられない。
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