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『42 世界を変えた男』

『42 世界を変えた男』(原題:42)
監督:ブライアン・ヘルゲランド
出演:チャドウィック・ボーズマン,ハリソン・フォード,ニコール・ベハーリー,
   クリストファー・メローニ,アンドレ・ホランド,ルーカス・ブラック他

3連休の中日に、大阪ステーションシティシネマにて。

前日夜中まで飲むことが最初からわかっていたので、
何もかもあらかじめ決めておかなければ、きっと起きられない。
映画の時間も電車の時間も前日飲みに行く前から調べておき、
へろへろになりながらも早起き、レッドブルを飲んでGO。

『モンゴル野球青春記 バクシャー』を観てからまだ3週間足らず。
ひと月のうちに2本も野球の映画を観られるとはなんたる幸せ。

アメリカのすべての野球チーム(メジャーもアマチュアもひっくるめて)で
永久欠番となっている唯一の背番号“42”。
その背番号の持ち主だった黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの物語。

メジャーリーグから有色人種が排除されていた1945年、
ブルックリン・ドジャースのGMブランチ・リッキーは、黒人選手を取ることを宣言。
球団幹部は大変な騒ぎになると反対するが、ブランチの決意は揺るがない。
と言っても、選手に目星を付けていたわけではない。
ブランチの指示のもと、球団では妥当とおぼしき黒人選手を探しはじめる。

ブランチのお眼鏡にかなったのは、ジャッキー・ロビンソン。
走攻守三拍子揃い、野球選手として優れているのはもちろんのことだが、
人種差別に激しい抵抗を見せる問題児のジャッキーこそがふさわしい。

ブランチは「怒りを抑えられるか」とジャッキーに尋ねる。
「やり返す勇気のない選手になれというのか」と抗うジャッキーに対して、
「やり返さない勇気を持て」と言うブランチ。

これを機に、ジャッキーは学生時代から交際していたレイチェルと結婚。
まずはマイナーリーグの遠征に合流するが、案の定、差別や嫌がらせが待ち受ける。
チームメイトすら大半が彼を蔑視し、まさに孤立無援状態。
それでも歯を食いしばり、ひたすらプレーに集中しようとするのだが……。

実話が映画化されると、おそらく美化された部分はかなりあるのだと思います。
けれども、白人のみだったメジャーリーグを変えようとした人がいること、
そうして入団した黒人選手がいること、不当な差別を受けながら屈辱に耐え、
一流選手として名を残した人がいるのは事実。

いくつかの逸話らしきものを聞くたびに涙をこらえようとして肩が震えました。
劇場の椅子が揺れていたかも。すみません。(^^;

町から出て行けと警告しに来る住民がいる一方、
しかめっ面のまま「能力のある者は誰でもチャンスを与えられるべき、
応援している」と言いに来る住民も。

ブランチの依頼でジャッキー専属の広報係となった黒人記者のウェンデル・スミスは、
なかなか心を開こうとしないジャッキーに、こう言います。
「なぜ僕が観客席で原稿を書いているかわかるか。
黒人は記者席に入ることを禁じられているんだ。闘っているのは君だけじゃない」。

試合中にわざと足を踏みつけられて負傷したジャッキーに、
ブランチは公園で見た光景を告げます。
「白人の少年が、君が打つフォームを真似していたんだ」。

黒人とプレーするなと脅迫状を送りつけられた選手ピーウィー・リースは、
地元の試合でジャッキーへのブーイングの嵐の中、ジャッキーに近づいて肩を組みます。
「自分の子どもたちにこの姿を見せたいんだ」という台詞に、
『少年H』の水谷豊演じる父親の言葉、
「戦争が終わったときに、恥ずかしい人間になっとったらいかん」を思い出しました。

監督は『L.A.コンフィデンシャル』(1997)、『ブラッド・ワーク』(2002)、『ミスティック・リバー』(2003)、
『グリーン・ゾーン』(2010)、『ロビン・フッド』(2010)などの脚本家なのだそうで。
ホラー、サスペンス、アクション大作と何でも来いのようです。

ついでながら、ジャッキーに罵詈雑言を浴びせるフィラデルフィア・フィリーズ監督役は、
『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』(2010)のタッカー役、アラン・テュディック。
えらくまた違う役だけど、ボケボケなのは同じか。

やっぱり野球が好きだ~。
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