『ビトレイヤー』(原題:Welcome to the Punch)
監督:エラン・クリーヴィー
出演:ジェームズ・マカヴォイ,マーク・ストロング,アンドレア・ライズボロー,
ピーター・ミュラン,ジョニー・ハリス,ダニエル・メイズ,デヴィッド・モリッシー他
ダンナが宮崎へ出張。ちょうど水曜日ではありませぬか。
レディースデーだもん♪と休みを取り、
車で伊丹空港へ送って行ってから、そのまま心斎橋へ向かいました。
平日の朝のミナミは、土曜の昼頃の十三と似たおもしろさ。
仕事上がりのお兄さんお姉さんがいっぱい。
よれよれ気味の歩き方にたまに轢きそうになるけれど、(^^;
過酷な商売やなぁ、お疲れさまと思いながら御堂筋東側のコインパーキングへ。
御堂筋を横断して西側のアメ村の中、
大阪市立南中学校跡地に建つビッグステップ内のシネマート心斎橋。
首の位置までフォローしてくれない座席が残念なのですが、
立地はとても気に入っています。
最近は足が向いていなくて、振り返ってみるとこれを観て以来。
アメリカと違って、警察官ですら銃を日常的に所持することは認められていないイギリス。
銃規制のあり方が興味深いです。
捜査官になってまだ日の浅いのマックス・ルインスキーは、
応援の到着を待たずに丸腰でたったひとり、超大物犯罪者ジェイコブ・スターンウッドを追う。
しかし、あと一歩というところでジェイコブに膝を撃たれ、取り逃がしてしまう。
それから3年が経ち、隠遁生活に入ったとおぼしきジェイコブの行方はわからないまま。
ところが、後遺症を抱えたマックスが膝のひどい痛みと戦っていたある日、
ジェイコブの息子であるルアンが空港でトラブルを起こす。
腹を撃たれた状態で、離陸しかけていた飛行機から突然降りた模様。
倒れる寸前のルアンの通話を調べると、アイスランドにかけていたことがわかる。
マックスの同僚で、ジェイコブ捜査の指揮を執っているネイサン・バートニックは、
すぐさまアイスランドに出向いてジェイコブに攻撃を仕掛けるという。
マックスとその相棒の女性捜査官サラ・ホークスは、
キレ者のジェイコブがそんな方法に引っかかるわけはないと考え、
そのとおり、ネイサンの計画は大失敗に終わる。
ロンドンのルアンの入院先へジェイコブが必ず現れると踏んだマックスは、
上司の警視長トーマス・ガイガーの許可を得て、サラとともに病院で待機することに。
やはりジェイコブは現れるが、慎重そのものでまたしても捕まえることができない。
ジェイコブと騙し合いを続けるうち、
マックスは警察内部に怪しい動きを感じるようになるのだが……。
原題をそのままカタカナにしたかのような邦題ですが、
原題はまったく異なり、“Welcom to the Punch”。
怪しい取引の舞台となるコンテナ置き場が「パンチ」です。
邦題の“Betrayer”、すなわち裏切り者はいったい誰なのか。
これはさもありなんという感じで、特に驚きはありません。
犯罪者側のジェイコブと仲間のロイ、このオッサンふたりが実にシブイ。
汚職警官は容赦なく撃ち殺すけれども、
3年前もそうだったように、マックスのことは殺せる状況でも殺さない。
やがて双方の敵が一致することがわかり、
ジェイコブとマックスのあいだに奇妙な友情が芽生えます。
大切な人を失った者同士、言葉を交わさずとも伝わる気持ちにシビレます。
スタンリー・トゥッチをいかつくしたみたいなマーク・ストロング、
『裏切りのサーカス』(2011)では微妙なハゲ具合が気になりましたが、
本作ではちゃんとしたハゲ(ってどんな!?)でシビレます。
いつも酔っ払い役が似合うピーター・ミュランも頼りになるニクイおっさん。
こうした中年陣とまだまだ若手のジェームズ・マカヴォイ、
イギリス出身俳優がずらり揃った、イギリス訛り好きならば堪らん1本です。
ヘヴィーすぎない男臭さに酔いしれましょう。
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