《な》
『夏の終止符』(英題:How I Ended This Summer)
2010年のロシア作品。
主演の2名がそろってベルリン国際映画賞で銀熊賞(男優賞)を受賞。
「三大映画祭週間2011」にて上映されました。
北極圏辺境のアルシム島の気象観測所に勤務するセルゲイとパーシュ。
放射能値の測定をして本土の気象庁にデータを報告している。
職人肌で黙々と仕事をこなすセルゲイは、イマドキの若者パーシュが気に入らない様子。
ある日、セルゲイは定時報告をパーシュに任せて鱒釣りに出かける。
その間に本土からセルゲイの家族が事故に遭ったとの連絡があり……。
パーシュがセルゲイに事故のことを知らせない理由が最初はよくわかりません。
意地悪で言わないのか、気の毒で言えないのか。
怒られるのではという思いが殺されるのではとの思いに変わるくだりはサスペンスフル。
最後にセルゲイがパーシュをガシッと掴んで抱きしめるシーンにはじんわり。
《に》
『ニライの丘 A Song of Gondola』
2010年の作品。
ご当地映画の製作に乗り出した吉本興業が第1弾は沖縄で。
吉本といえば大阪と思いきや、沖縄以外では渋谷、池袋、山形でのみの上映でした。
父親と病弱な妹の3人で暮らす少年・良は、空手が習いたくて仕方がない。
ところが、父親はなぜか断固として反対。
幼なじみの少女・凪から金を借りて道場に通い始めたところ、父親にバレて殴られる。
ぼんやりしている良に、凪とアメリカ人の少年・ケビンが話しかけ……。
『琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。』(2007)の1編を担当した監督の作品。
良のじいちゃんや良を助ける飲み屋のおっちゃんが○。
沖縄の作品を観ると、沖縄の人たちののんびり具合や懐の大きさが感じられ、
なんとも言えないほのぼのとした気分になります。
《ぬ》
毎年つまずく「ぬ」。
今年で11回目の「今年観た映画50音順」ですが、「ぬ」があったのは2回だけ。
しかもうち1回はその年既出の『ぬくぬく』でした。
去年は珍しく『nude』があって小躍りしましたけれど。
ちなみに、「ぬ」については私が観逃した作品の中にもありません。
今年発売されたDVD作品の中になかったかどうか調べてみたら、
「ぬ」で始まる作品は『濡れたなんとか』っちゅうAVばっかりだったもん。
《ね》
『ねずみの騎士デスペローの物語』(原題:The Tale of Despereaux)
2008年のイギリス/アメリカのアニメ作品。日本では未公開。
原作はアメリカの児童文学作家ケイト・ディカミロのベストセラー。
スープで有名なヨーロッパの王国“ドール”。
宮廷の厨房を仕切る天才シェフのアンドレは、毎春その年のスープを発表。
国中に漂うスープの香りに国民は癒やされ、誰もがスープ大好き。
ちょうどスープお披露目の日にこの国へやってきたドブネズミのロスキューロは、
誤って王妃のスープ皿の中へドボン。王妃は失神、そのまま死亡。
傷心の国王はスープを禁止、ドブネズミを追放する。
さて、ドブネズミとは世界を異にするハツカネズミのデスペローは、
猫や人間をも恐れないことから、両親や教師が将来を心配している。
ある日、王女の部屋へと潜り込んだデスペローが王女と言葉を交わしたところ、
人間と接触したことを激しく非難され、ハツカネズミ界から追放されてしまう。
地下世界で出会ったロスキューロとデスペローは親しくなるのだが……。
スープを禁止したら、日も射さず雨も降らなくなったというのがイイ。
声優陣には有名どころが顔をそろえ、絵も好み。なかなか楽しいアニメでした。
《の》
『ノラ』
やたらよく見かけるようになった染谷将太の主演作品。
何かに追われるように山中を駆ける少年、幸雄は、道路に飛び出して軽トラに当たる。
そのまま気を失ったのを幸いに、運転手の繁は自分が轢いたのではなく助けたことに。
家出中だと言う幸雄を繁は自宅へと連れ帰り、舟の修繕を手伝わせる。
亡き妻の連れ子、あかねと二人で暮らす繁に、幸雄が打ち明ける自分の過去。
酔っ払って暴力をふるう父親のせいで母親を失い、
幸雄自身も父親によって足に重傷を負わされた。
今は服役中の父親に復讐するつもりだと言い……。
PVみたいなものかと思ったら、意外にちゃんと作られた映画でした。
これもひとつの気持ちの整理のつけ方。
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