《さ》
『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』
面白いと聞いてはいたものの、NHKのコント番組『サラリーマンNEO』は未見。
レギュラー陣が誰なのかもわからない状態でしたが、これは確かに面白い。
業界5位のNEOビールに入社した新城、22歳。
営業成績は上がらず、熱烈な阪神ファンの課長や恐ろしいOL軍団にビビる日々。
友人の勤めるベンチャー企業に転職を考えていた矢先、
業界1位の大黒ビールに立ち向かうため、新商品のアイデア提出を命じられる。
思いつきで口にした“セクシービール”の案にGOサインが出てしまい……。
たびたび登場する世界の盗塁王、福本の逸話に悶絶。
エンドロールに挟み込まれる、同じくNHKの『あすを読む』のパロディも最高。
《し》
『幸せパズル』(原題:Rompecabezas)
2010年のアルゼンチン/フランス作品。
首都ブエノスアイレス近郊で夫と2人の息子とともに暮らす専業主婦マリアン。
50歳の誕生日のプレゼントの中にあったジグソーパズルに目を引かれる。
すっかり夢中になった彼女は、“パズルマニア”というパズル専門店で、
パズル大会に出場するパートナーの募集広告を見つける。
広告主は大会の常勝者で裕福な独身紳士ロベルト。
マリアンは叔母の面倒をみると偽り、ロベルト宅で世界大会を目指して特訓を開始する。
冒頭、親戚や友人を招いてのパーティーにひとり奮闘するマリアン。
誰の誕生会かと思いきや、マリアン本人とわかって苦笑。
割れた皿の破片にパズルを感じさせるシーンがセンス良し。
紅茶好きのロベルトが「今日はこれ」と選んだのはラプサン・スーチョンでした。
《す》
『素晴らしい一日』(英題:My Dear Enemy)
日本では昨春公開された2008年の韓国作品。
原作は1999年にオール讀物新人賞を受賞した平安寿子の同名小説。
競馬場でうだうだする男ビョンウンのもとへ、1年前に別れた女ヒスが現れ、
貸したままの350万ウォン(=約25万円)を返せと言う。
今は手持ちがない、数日内に振り込むと答えるが、
甲斐性なしで能天気なビョンウンのことを信じられるわけもない。
ヒスはビョンウンを自分の車に乗せ、金を工面する彼に同行することに。
『昼間から呑む』と並んで風変わりなロードムービー。
行く先々、知人友人からのビョンウンの評価は異様に高く、それが余計に腹立たしい。
ヒス役のチョン・ドヨンは特筆すべき上手さで、イライラの表情といい、
少し柔らかくなった表情といい、素晴らしい。
私もずっとイライラさせられっぱなしでしたが、最後は少し温かい気分に。
その借用書があれば、また会えるよ、きっと。
《せ》
『戦火の馬』(原題:War Horse)
同名児童文学をスティーヴン・スピルバーグ監督が映画化。
イギリスの貧しい農家の少年アルバートが育てた仔馬ジョーイは、
第一次世界大戦の最前線へと向かう軍に買い取られてしまう。
ジョーイは競走馬でありながら、鋤を引くことも覚えていたため、
脚は速いわ、力はあるわで、軍でも重宝される。
ジョーイを引き取ったニコルズ大尉は、必ず大事にする、
そしていつかアルバートに返すと約束するのだが……。
有刺鉄線が絡まって動けなくなったジョーイを、
イギリス兵とドイツ兵が一緒に助けるシーンは笑いと涙を誘います。
戦争がなぜ起きたかなんて話は一切なし。この話はこれでいい。
本作の泣かせる善人、ニコルズ大尉役のトム・ヒドルストンが、『アベンジャーズ』では悪魔のロキ役でワロた。
《そ》
『空飛ぶペンギン』(原題:Mr. Popper’s Penguins)
未公開のアメリカ作品。
ジム・キャリー演じるトム・ポッパーは、敏腕不動産デベロッパー。
仕事仕事の毎日を送ってきた結果、いまは妻子とは別居生活。
そんなある日、探検家だった父親の訃報とともに、遺産として1匹のペンギンが到着。
南極へ送り返そうとするも、手違いでさらに5匹のペンギンがやってくる。
週末をトムと過ごすべく訪ねてきた娘と息子は大興奮。
子どもたちの喜ぶ顔を見て、トムはペンギンとの共同生活を始めるのだが……。
笑える度は一時のジム・キャリーからペースダウンしているものの、
部屋中に氷と雪を撒き、厚着をしてペンギンと暮らす様子は可笑しいし、
家族でも安心して観られる作品です。もちろんお一人様もどうぞ。
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