『砂漠でサーモン・フィッシング』(原題:Salmon Fishing in the Yemen)
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ユアン・マクレガー,エミリー・ブラント,クリスティン・スコット・トーマス,
アムール・ワケド,トム・マイソン,キャサリン・ステッドマン他
原題は“Salmon Fishing in the Yemen”。
渋谷駅から徒歩5分ほど、宮下公園近くのヒューマントラストシネマ渋谷にて。
イエメンでサーモン・フィッシング、渋谷でムービー・ウォッチング。
わぉ、凄いダジャレ。オッサンくさくてすみません。
どーして渋谷なんだと言いますと。
一昨日の日曜日、ダンナが渋谷で某国家資格の二次口頭試験。
ダンナは前日の土曜日から東京入りしていましたが、
一緒に行っても試験前日にディナーなんてわけにもいかず。
翌日にランチだけ食べに行くのもどんだけ贅沢なんだと思いましたが、
15年来のおつきあいのシニアソムリエが、今秋から東京へ行かれていて、
ひょっとしてお会いできませんかと連絡してみたらOK。
あいにく現在お勤めのお店は日曜日定休だったのですが、
渋谷近辺でどこかお店を予約してくださることになりました。
なにしろ東京はまったくわからない私。
渋谷といえばやはりハチ公前で待ち合わせかと考えましたが、
ハチ公前は人だらけで意外にむずかしそうだから、
渋谷109斜め向かいのビルの地下、ブックファーストにて待ち合わせ。
で、その近辺に映画館はないかと調べたら、
テアトル系のヒューマントラストシネマ渋谷、みっけ。
伊丹空港7:05発の羽田行きに乗れば、多少迷っても9:50の上映開始に間に合うし、
11:40終映だから、12:00の待ち合わせにも間に合います。
ひとえに渋谷で映画を観るため、選挙は期日前投票を済ませ、
日曜日の朝3:30に起きて(←トイレの時間を見込んで早起き)、いざ東京へ。(^O^)
スウェーデン出身のラッセ・ハルストレム監督による、イギリス作品。
偶然にも『HACHI 約束の犬』(2008)の監督です。
英国の水産学者アルフレッド・ジョーンズ博士のもとへ、突飛な依頼が舞い込む。
依頼者はイエメンの大富豪シャイフ・ムハンマドという男性で、
砂漠の国イエメンに川を作り、鮭釣りができるようにしてほしいというもの。
金持ちの道楽になどばかばかしくてつきあいたくないアルフレッドは、
仲介者で投資コンサルタントの女性ハリエット・チェトウォド=タルボットにきっぱり断る。
ちょうどこの頃、中東との関係改善に頭を悩ませていた英国政府は、
中東に関する「良い話」を探している最中。
英国女性バンドの中東公演、中東地域での自動車ラリーなどいろいろ検討するも、
肌の露出や事故など懸念が高くて実現は到底無理っぽい。
英国首相の広報官で、泣く子も黙る女、パトリシア・マクスウェルは、
首相から電話を受けた折りにたまたま見ていた鮭釣りの件を口にしてしまう。
一笑に付されるかと思いきや、首相が乗り気に。
そんなこんなで、まさかの「砂漠で鮭釣り」が国家を挙げての支援プロジェクトに。
アルフレッドにとっては大迷惑な話だが、
仕事を辞めるかプロジェクトを推進するかの二択を迫られ、渋々後者にサイン。
ハリエットと協力してプロジェクトを始動させるのだが……。
どのように鮭釣りプロジェクトが進んでゆくのかは、
さほど細かく書かれているわけではないので、
そちらに強く興味を惹かれた方には物足りないでしょう。
それよりもプロジェクトを取り巻く人間関係に重きが置かれています。
シャイフはわがままなボンクラかと思ったら、実に知的で品格の備わった人。
ただの道楽で鮭釣りを実現させたいだけではないとわかり、
アルフレッドもなんとかしたいと思うようになります。
ばかばかしい話ではあるけれど、最初から無理と決めつけてかかれば、
何事も上手く行くはずがなく、前向きな気持ちが必要なんだって。
悩みなどないように見えて、本当は傷だらけの心を抱えているアルフレッド。
彼が見せる優しさがじんわりと染みて、
この恋が成就しますようにと願わずにはいられません。
会話のテンポも小気味よく、登場人物の誰もが魅力的。
終始くすくす笑ってしまい、にっこりほっこりできる作品でした。
心地よい映画を観たあとは、代官山の“RISTORANTE YAGI ”にて、
今はないけど大好きだったお店の元スタッフおふたりと、試験が終了したダンナと、4人で食事。
めちゃめちゃ楽しいランチでした。
帰りの飛行機の時間ギリギリまでつきあっていただき、
映画とランチごときで東京まで行ってホントによかったと思いました。
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