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『アイアン・スカイ』

『アイアン・スカイ』(原題:Iron Sky)
監督:ティモ・ヴオレンソラ
出演:ユリア・ディーツェ,ゲッツ・オットー,クリストファー・カービイ,ペータ・サージェント,
   ステファニー・ポール,ティロ・プリュックナー,ウド・キア他

予告編等で興味を持った人はとっくにご覧になっていることでしょう。
『ハンガー・ゲーム』のチケット予約時に、日にちを誤ったのはこれのせい。
こんなヘンテコな映画は早くに終映してしまいそうで、
先週末の上映予定をズラズラと並べて開けていたら、ミスを犯しました。
そんなわけで、TOHOシネマズ梅田にて。
実はこの日も3本ハシゴ、これ→『くろねこルーシー』『ツナグ』の順でした。

ぶっ飛びのフィンランド/ドイツ/オーストラリア作品です。
よくもこんなことを思いついたものだと呆れ、大笑い。

2018年のアメリカ。
再選を目指す女性大統領が、国民の人気を勝ち取るべく考えた政策は、
黒人の男性ファッションモデル、ジェームズを月面へと送り込むこと。

ところが、無事に月面へと到着したジェームズが見たものは、
第二次世界大戦後に月へと逃亡したナチスの残党が月の裏側に築いた帝国の秘密基地。
彼らは幼少の時分から徹底した洗脳教育を受け、総統には絶対服従。
着々と軍備を強化し、地球侵略の機会を窺っていたのだ。

次期総統の座を狙う月面ナチス准将クラウスや、科学主任博士リヒターは、
ジェームズのスマホを取り上げ、これがコンピュータだと聞いて驚愕。
スマホさえあれば開発中の最終兵器「神々の黄昏」号を完成させられる。
捕虜の身となったジェームズは、あろうことか色を抜かれて白人にされ、
月面ナチスのガイド役として地球への同行を余儀なくされる。

クラウスの出発に、彼の婚約者で地球学者のレナーテがいつのまにか同乗。
大統領と会わせろと言うクラウスをホワイトハウスへ連れて行くわけにもいかず、
ジェームズはまずは選挙キャンペーンの責任者ヴィヴィアンに引き合わせる。

もちろんヴィヴィアンは月面ナチスの存在など認めようとしない。
笑い飛ばしたものの、絵になる男クラウスと卓越した演説ぶりのレナーテを見て、
これは選挙キャンペーンに使えると考える。
レナーテの草稿どおりの演説をおこない、人気を取り戻す大統領。
同じ頃、ホームレスとなったジェームズは、
月面ナチスの襲撃に備えよと街頭で叫ぶのだが狂人扱いされ……。

はい、とってもバカバカしくて面白いです。
黒人のモデルが白人のホームレスへ……なんちゅうギャグや、
どこの国もこっそり核兵器を保持していたり……なんて様子や、
不謹慎ながら笑ってしまうシーンばかり。

レナーテがひょっとして自分たちのほうが誤っているのではと気づくきっかけが、
チャップリンの『独裁者』であるところもシャレています。
あれを10分に短縮して見せられたら、「総統はスバラシイお方」になるんですと。
そっちも見てみたいものです。

残念だったのは、冒頭から携帯を鳴らしまくっていた2席向こうのオッサン。
映画を観てバカ笑いするオッサンとは同じ箇所で笑うのが悔しく、
そのせいでもっと面白かったはずが控えめな笑いになってしまいました。
オッサンこそ月面ナチスに連れて行かれてしまえっ。
……てなこと、『汚れた心』のときにも言ってましたね、私。(^^;
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