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『ぱいかじ南海作戦』

『ぱいかじ南海作戦』
監督:細川徹
出演:阿部サダヲ,永山絢斗,貫地谷しほり,佐々木希,
   ピエール瀧,浅野和之,斉木しげる,大水洋介他

ちょうど1週間前、梅田ブルク7にて。

原作は椎名誠の同名小説。
出演者の名前を眺めただけで楽しそうな予感。

失業と離婚が同時にやってきて、人生のどん底にいる男、佐々木。
手元に残ったすべてを携えて、衝動的に南の果ての西表島へ。
レンタカーで島をぐるり一周、「終点」の表示の先へ進んでみると、
そこには信じられないほど青い空と美しい海が。

開放感にひたってパンツを脱いだ瞬間に、ぬっと現れた中年男。
内股でシャカシャカ走るその男は通称マンボさん。
彼に続いて現れる個性豊かな面々、通称先生にギタさん、ヨシオ。
4人はこの浜辺に住みついたホームレスらしい。

波に乗って流れてきた廃品でそれぞれに家をつくり、
知恵を出し合いながら自由を謳歌して生きている。
暗かった佐々木も彼らの仲間となって、自給自足の生活を満喫。
このうえない開放感と幸せに酔いしれる。

ある夜、いつもの浜辺の宴会途中で潰れてしまった佐々木。
翌朝目が覚めると、4人がいない。佐々木の荷物もない。
どうやら周到に用意された彼らの悪だくみだったらしく、
見事にだまされた佐々木は、金も着るものも食べるものもすべて失う。

警察へ駆け込む気も起こらず、浜辺でひとり呆然とする佐々木。
そこへ完全装備の都会の若者、オッコチくんこと落越がやってくる。
佐々木はサバイバルの達人と見せかけてオッコチの敬意を勝ち取ることに成功。

こうして佐々木とオッコチの共同生活が始まる。
さらには関西からやってきた若い女性、アパとキミも加わって……。

派手さはなく、ゆるゆると話が進みますが、
沖縄ってやっぱりいいよねぇと思える作品。
乾電池はまっすぐに飛ぶから意地悪なカラスを狙うのに良いとか、
そんな豆知識もてんこ盛り。

こちらもほんの少しオッサンの妄想が入っていますが、
阿部サダヲ演じる佐々木がビシッと妄想を断ち切るのが潔し。
マンボさん役のピエール瀧をはじめとするホームレスたちも可笑しくて、
逃げたあとの彼らの存在を確認した佐々木が
荷物を取り返すべくとある島へと乗り込んださいのやりとりが傑作です。

アパとキミ役の貫地谷しほりと佐々木希の関西弁は
やっぱりちょっと変だけど、可愛いから許せます。(^o^)

本当に悪い人なんていないから。
そう思えて、なんだか和んでしまう作品なのでした。
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