『ぼくたちの奉仕活動』(原題:Role Models)
監督:デヴィッド・ウェイン
出演:ポール・ラッド,ショーン・ウィリアム・スコット,クリストファー・ミンツ=プラッセ,
ジェーン・リンチ,ボビー・J・トンプソン,エリザベス・バンクス他
2008年のアメリカ/ドイツ作品。
日本では未公開で、2010年にDVD化されていたようですが、
私が観たのは廉価版が出た2カ月ほど前。
前述の『崖っぷちの男』でエリザベス・バンクスの名前が出たついでに。
栄養ドリンクの営業マン、ダニーとホイーラーは、コンビを組んで学校を回っている。
能天気なホイーラーが着ぐるみを着て子どもたちの関心を惹き、
ダニーはこの栄養ドリンクがいかに美味しくて健康的かを力説するというもの。
まるで「覚醒剤打たずにホームラン打とう」のノリ。
実際はゲロまず、気色悪い緑色のドリンクに辟易しているというのに。
後ろ向きの思考しか持てないダニーは何もかもに嫌気が差している。
ある日、営業中にキレたうえ、レッカー移動されかけた営業車で暴走し、
ホイーラーとともに逮捕されてしまう。
ダニーの恋人は若くして有能な弁護士ベス。
2人の刑務所行きだけはなんとか回避したいと代替案を求めて奔走したところ、
問題児がひしめく施設で150時間の社会奉仕活動をすることに。
手強そうな施設のオバハン所長は、2人を見てニタリ。
その表情から、2人はこの奉仕活動が甘くはないことを推察するのだが……。
下ネタ満載なので、その手のノリが駄目だと言う人にはムリです。
でも、実はそういう人にもちょっと観てほしかったりします。
それぐらい私は好きで、鑑賞後は幸せ感いっぱい、ホロリとした作品でした。
施設では問題児と基本的にマンツーマンで過ごします。
ダニーが担当することになったのは騎士のコスプレに夢中なオタク少年オージー。
ホイーラーには徹底的に口の悪い生意気な少年ロニー。
とっとと150時間を終了させたいけれど、ごまかしは利きません。
2少年にほとほと手を焼き、憎たらしさしか感じなかったのに、
最後は少年たちを放っておけなくなります。
ホイーラーがキッスの曲をロニーに聴かせるあたりからは特に楽しい。
キッスが重要な役割を果たすとは想像していなかったので、
その点でも非常に楽しめた1本でした。
ところで、いまさら本作をここへアップするきっかけとなったエリザベス・バンクス。
知的な美人なので、『崖っぷちの男』の交渉担当刑事や本作の弁護士のような職業が似合っています。
いささか華やかさには欠けるせいか、彼女の出演作には未公開作品も多いですが、
こういった毒舌でテンポよくクスッと笑わせる力は十分にありそう。
下ネタ厳禁という人でなければ、お手軽に楽しめるオススメ作品。
キッスのファンでなくとも、キッスを知っているという程度の人にもぜひ。
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