『ホームランが聞こえた夏』(英題:G-love)
監督:カン・ウソク
出演:チョン・ジェヨン,チャン・ギボム,キム・ヘソン,
イ・ヒョヌ,ユソン,カン・シニル,チョ・ジンウン他
プロ野球シーズンが開幕して2週間。
これは先月初めにDVD化された、実話を基にした韓国作品です。
MVPに何度も選出された国民的スターであるにもかかわらず、
素行不良が目立つプロ野球チームの投手、サンナム。
またしてもぐでんぐでんに酔っぱらって警察の厄介となり、
さすがにファンからも見放されそう。
高校時代、サンナムのチームメイトだったチョルスは、
いまはマネージャーとしてサンナムを支えている。
サンナムが重い処分を受けずに済むようにと、
尻ぬぐいにかけずり回るチョルスの気を知ってか知らずか、
捨て鉢な態度ばかり取るサンナム。
サンナムのおこないは当面許してもらえそうにもなく、
汚名返上、名誉挽回のためにチョルスが見つけてきた話は、
謹慎処分中に視聴覚障害者がかよう高校の野球部でコーチをすること。
しかし、スター選手の来校を喜ぶ生徒にサンナムは冷ややか。
野球部顧問の女性教師ジュウォンと部員たちの願いは、
高校野球全国大会への出場。
無理に決まっていると鼻で笑うサンナムだったが、
ある夜、野球部には所属していない生徒ミョンジェが
人知れず投球練習する姿に心を動かされる。
ミョンジェは、中学校の野球部でエースとして活躍していた折り、
突然聴覚を失って野球を続けることを断念し、この高校へ進学。
それを知ったサンナムは、ミョンジェを野球部へと誘う。
かなり長めの144分。
ハリウッドの野球映画のように洗練されてはいないし、
削れるシーンが多数ありそうなわりに、
盛り上げ方がイマイチかもなんてところがあります。
けれど、やっぱりイイです。こんなスポ根もの。
上記の勧誘シーンは、授業中の教室にサンナムがいきなり乱入、
紙に書いた文字で「一緒に野球をしよう」と誘うのですが、
ミョンジェがうんとは言わないことも読んでいて、ここでまず泣かされます。
じゃじゃ馬のジュウォン先生とサンナムの掛け合いも痛快で、
間に入る教頭先生が実にいい味。
この教頭先生役は、邦画だったら笹野高史あたりに演じてもらいたいところ。
何よりも悔しいのは、こてんぱんにやられることよりも、同情して手を抜かれること。
ジリ貧の野球選手と部員たちの心の叫びにウルっ。
サンナムとチョルスが抱き合うシーンでは
『ラブ・アクチュアリー』(2003)のロック歌手とマネージャーを思い出してまたウルリ。
って、なんぼほど泣いとるねん、私。(^^;
韓流のわりに貧弱な体型のサンナム役、チョン・ジェヨンは、
『小さな恋のステップ』(2004)でも野球選手役でした。
『彼とわたしの漂流日記』(2009)では憐れすぎて笑える主人公。
確かに、あの無人島でええ体しすぎているのはよくないもんねと納得。
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