『グッド・ドクター 禁断のカルテ』(原題:The Good Doctor)
監督:ランス・デイリー
出演:オーランド・ブルーム,ライリー・キーオ,J・K・シモンズ,
タラジ・P・ヘンソン,マイケル・ペーニャ他
シネ・リーブル梅田にて、先週末より公開中。
「禁断のカルテ」という副題ゆえに、「恥ずかしくって観に行けない」風。
「禁断の」と言われると、エロいのかもと思ってしまうのは私だけ?
いやいや、きっと私みたいな想像をする客がたくさんいるからこその副題ではないかと。
しかし、それに騙されて観に行ったわけではないことを誓います。(^O^)
“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズで世にも美しいエルフを演じたオーランド・ブルーム。
“パイレーツ・オブ・カリビアン”シリーズでも美形ぶりを発揮していましたが、
『エリザベスタウン』(2005)のような普通の兄ちゃん役の彼のほうが私は好きです。
これもそんな兄ちゃん役だろうと思ったのと、
彼を虜にする女性患者役がエルヴィス・プレスリーの孫だということに興味を惹かれ。
内科の研修医マーティンは、高い志を胸に医療現場に足を踏み入れたものの、
気持ちばかりが先走って上手くいかない。
自分のミスをどう挽回するか、責任をどう回避するかで頭がいっぱい。
感染症の専門医になりたいと上司に相談すると、
良い医者らしく振る舞えば、良い専門医になれると言われただけ。
そんなとき、マーティンは18歳の美少女ダイアンの担当医となる。
腎盂腎炎という腎臓の感染症で入院中の彼女に対し、
マーティンは特別な感情を抱きはじめる。
順調に快復したダイアンが退院した日、
ダイアンの家族から食事に誘われたマーティンはひそかに大喜び。
服選びにも時間をかけて訪問するが、
肝心のダイアンは高校一のモテ男とデートに出かけていた。
ダイアンと会いたい。
その気持ちが抑えられなくなったマーティンは、ダイアンの飲み薬に細工。
症状が再発したダイアンは再入院する。
彼女を退院させたくないマーティンの行動は常軌を逸してゆき……。
このオーランド・ブルームはモッサリしすぎでまるで華がなし。
物語もちょっぴり消化不良で、DVD化されてからでよかったかなぁという感想。
けれど、マーティンのことを特に高くは評価していなかった上司や、
頼りない研修医をナメきっていたベテラン看護師が、
マーティンが担当患者を亡くしてはじめて優しくなったり、
遺族からマーティンを守ろうと連帯感を見せるのはおもしろいです。
そうそう、映画って、どうして何でもかんでもトイレに流そうとするのでしょう。
『アリス・クリードの失踪』(2009)では銃弾を、
本作では大量の紙を流そうとしていずれも失敗。
そんなに何でも流れんて!といつもツッコミたくなります。
悪いことをしても大丈夫だと最初に思い込んでしまうと、
次からも大丈夫だと思って、正しいことができなくなる。
『麒麟の翼 劇場版・新参者』の加賀の台詞が思い出されました。
そして本作では、その歪みがまかり通ってしまいます。
ラストの台詞の続きは、「採血なら私が」かな。
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