『同窓会』
監督:サタケミキオ
出演:宅間孝行,永作博美,鈴木砂羽,二階堂智他
監督と主演は、名前が違うけれど同一人物。
『花より男子』シリーズの脚本家サタケミキオが、
脚本を自分で書いて主演も務め、
監督としてデビューしたのが本作です。
克之は30代半ばの映画プロデューサー。
数年前に、高校時代の初恋の相手である雪と結婚したが、
若手女優のめぐみと不倫中。
ある日、雪に離婚を切り出すと、
拍子抜けするほどあっさり承諾。
克之は雪にマンションを渡し、めぐみと同棲開始。
雪は同郷の親友えりに離婚を報告。
えりが故郷の長崎県島原へ電話して、
同級生らに克之と雪の離婚を報じたところ、
マドンナ的存在の雪と別れるとは何事かと、
番長だった文太が激怒する。
数日後、ロケの手配で故郷を訪れた克之を
同級生の1人が発見。
瞬く間に「克之帰郷」のニュースが広まり、
克之を一喝すべく、文太は待ち構える。
雪が克之の浮気に気づいていたと文太から聞き、克之は呆然。
しかし、雪が高校時代からずっと、
自分以外の同級生のことを想っていたのではないかと、
文太に胸の内を明かす。
そんな折、えりから連絡がある。
雪の体調がよくないと聞いた克之は、
彼女が好きだったはずの同級生になんとか会わせようと、
東京での同窓会を企画するのだが……。
冒頭に掲げられる「勘違いは人生最高の悲劇であり喜劇である」の一文。
おそらく、観た人が皆その「勘違い」にすぐに気づくと思うので、
ネタバレじゃないと信じて書きます。
克之はえりから「3カ月」と聞いて、
雪の余命が3カ月なのだと思い込みますが、実は妊娠3カ月。
この展開にはなんだかあざとさを感じ、
序盤は「もしかしたらこの映画、駄目かも」と思いながら観ていました。
しかし、高校時代と現在のシーンがかわりばんこに映し出されるうち、
制服を着ていた頃が懐かしく、純情でヤンチャな青春時代に和み、
バレバレの「勘違い」を抜きにすれば、
結構楽しめる映画かもと思うようになりました。
そしてヤラレタ、もうひとつの「勘違い」。
これは全然読めませんでした。
このオマケのような「勘違い」による万年筆のくだりは、
涙なしには観られず。
こちらがホントの悲劇で喜劇だったんですね。
脚本家としての人脈なのか、
ちらりと出演する俳優陣も豪華です。
中村獅童が特に○。
やっぱり好きな映画になっちゃった。
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