『メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー』(原題:Metal: A Headbanger’s Journey)
監督:サム・ダン,スコット・マクフェイデン,ジェシカ・ジェイ・ワイズ
なぜ、世間でヘヴィメタルは嫌われるのか。
メタルをこよなく愛するカナダ人監督が、
そんな疑問を解き明かすべく、
メタルのルーツをたどった2005年のドキュメンタリー。
さて、私はメタルについて全然知りません。
阪神のウィリアムス投手のテーマ曲がAC/DCだということぐらいしか。
だけど、映画には頻繁にメタルが登場します。
曲はもちろんのこと、本人も登場したりして。
『ダーウィン・アワード』(2006)にメタリカ。
『リトル・ニッキー』(2000)にはオジー・オズボーン。
どれも「普通」の扱いではありません。
いったいメタルってどんな世界なのか、知りたくなるじゃないですか。
監督のサム・ダンがメタルの聖地を旅して、
バンドのメンバーやファン、研究者に突撃インタビュー。
ほかの音楽ジャンルのファンと決定的にちがうのは、
メタル・ファンは「メタル」が好きだということ。
たとえばポップス・ファンは、それぞれにお気に入りの歌手がいて、
その歌手のアルバムを買ったり、コンサートに行ったりする。
でも、メタル・ファンは、どんなバンドの名前が挙がろうと、
いくらでも語れる場合が圧倒的に多い。
ドイツ北部の町、ヴァッケンで開催されるメタル・フェスティバルに
何万人というファンが集う様子は壮観。
それは、想像された反社会的イメージとはかけ離れています。
彼らは瞳をキラキラさせて、まるで夢見る子どものよう。
私自身は、高校1年のとき、
レインボーの“Difficult to Cure”というアルバムを購入しました。
メタルのレコードを買ったのは後にも先にもこれっきり。
しかし、このアルバムは聴き倒したので、
今でもラジオなどで“I Surrender”がかかるとワクワクします。
だけど、こういう私は、メタル・ファンに言わせると、ファンでも何でもない。
メタル・ファンに「昔、好きだった」というのはあり得ません。
生涯、メタルを愛し続けるから。めちゃ一途。
本作と無関係ですが、某掲示板のメタル・ファンのコメント、
「ヘッドバンギングしている(頭を振っている)ときに
好きなシャンプーの香りがすると集中できない」には笑いました。
みんなロン毛だから、シャンプーにも気を遣う!?
肝心の「なぜ嫌われるのか」に対する答えは不明。
来月、続編とも言うべき『グローバル・メタル』が公開されます。
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