『連理の枝』(英題:Now and Forever)
監督:キム・ソンジュン
出演:チェ・ジウ,チョ・ハンソン,チェ・ソングク,ソ・ヨンヒ他
レンタルビデオ店の韓流コーナーで
目を輝かせる「おばちゃん」に仲間入りするには
まだ抵抗のある私ですが、たまにはこんな話題作でも。
『冬ソナ』のチェ・ジウ主演。
映画の公開に先立って発売されたDVDガイドのキャッチコピーは
「これが最後の恋になる」。
ありがちなストーリーですが、このキャッチコピーだけで十分、「秋モード」。
ヘウォンは原発性肺高血圧という難病患者だが、
明るくお茶目で病院でも人気者。
じっとしていることができず、今日も病院を抜け出す。
雨の中、帰りのバスを待っていると、
通りかかった車に水をはねかけられる。
車の主はゲームソフト開発会社の経営者コンビ。
社長のミンスは名うてのプレイボーイで、
運転中に隣を走行する車の女性を口説こうとして追突事故を起こし、
相棒に病院へ連れていかれる途中だった。
ヘウォンに謝罪すると、同じ目的地である病院まで送る。
ヘウォンに一目惚れしたミンスは
プレイボーイを返上し、ヘウォンにアタック。
彼に惹かれつつも、自分の余命がわずかと知っているヘウォンは
興味のない素振りを見せるのだが……。
涙なしでは観られない展開と思いきや、笑えます。
少なくとも最初の1時間は恋愛コメディ。
2人と、2人を取り巻く人びとの掛け合いは絶妙。
しかし、最後は意外や意外。
あまりに意外で開いた口もふさがらないので、
勢いでネタを暴露してしまいますが、
実はミンスも脳腫瘍に冒されていて死ぬ運命。
そら無理から悲しくしすぎやろ。
それでも、生涯最後の恋を決意した2人が見せる、
表情や仕草には共感できます。
星の数ほどの女を泣かせてきたミンスが初めてのキスの後、
相棒に実に切なそうな顔で、
「キスでときめいたのは初めてだ。わかるか?」。
ヘウォンは自分の想いを隠そうとしても、親友にはバレバレ。
「恋してる人の脈拍は、胸じゃなくて、顔の上で打つのよ。
だから隠せないんだって」。
エンディング曲は涙もの。
「生まれ変わった時、君がいなければ
次の世界で会えると信じて生きよう。
生まれ変わって出会った時、
今とは違う姿でも、僕は君に気づくだろう」。
そして、ヘウォンからミンスへ残された最後の言葉は
「ありがとう。愛してくれて」。
駄作でも、グッと来なきゃ、損!
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