『東京ゾンビ』
監督:佐藤佐吉
出演:浅野忠信,哀川翔,奥田恵梨華,古田新太,松岡日菜他
公開前、予告編にめちゃめちゃ興味を惹かれていました。
しかし、何なのだ、これはっ。あんまりや。
アフロヘアの浅野忠信とハゲヅラの翔兄貴に騙されて。
近未来の東京、江戸川区。
消火器工場に勤めるフジオとミツオは
固い絆で結ばれた師弟のような関係。
柔術の達人ミツオがその技をフジオに伝授すべく、
日がな一日、ふたりはマットの上で取っ組み合い。
派手なプロレス技をたまには試したいフジオだが、
ミツオはあくまで柔術技にこだわり続ける。
ある日、いつものようにマットの上にいると、
本社の社員、藤本が現れて、職務怠慢なふたりを罵倒する。
実はカツラーの藤本は、ミツオが潔いハゲであることをも責め、
マットで巻き巻きにしたミツオを殴打。
怒ったフジオが反撃に出て藤本は即死。
その頭からボロリと落ちるヅラ。
さて、工場近くには不法投棄物だらけの空き地がある。
うずたかく積み上げられたゴミの様子から通称「黒富士」。
不要な物どころか、不要な人間までもが埋められる場所。
フジオとミツオは藤本の死体をそこへ埋めることに。
やがて、埋められた死体たちがゾンビとして生き返り始める。
工場に押し寄せるゾンビたちから逃げようと、
フジオとミツオはトラックを走らせるのだが……。
こうして書くとなかなかおもしろそうでしょ。
ゾンビに埋め尽くされた東京は崩壊し、
生き残った人間のうち、お金持ちはうんと高いところへ。
ゾンビの這い上がれない高さのマンションを建設するのです。
貧乏人はその金持ちたちの奴隷になるしかありません。
奴隷たちが金持ちたちの使用する電気のために
「にぎにぎ発電所」で握力計みたいなものをにぎにぎして
発電する様子は笑えます。にぎにぎとやかましい。
金持ちの娯楽は、闘鶏ならぬ、奴隷とゾンビのデスマッチ。
最後はそこでフジオとミツオが対決するわけです。
お下劣すぎるけど、こんな作品でも見どころは探すべし。
まず、翔兄貴のハゲヅラ。デコを接写しようともわからん境目。
ゲイ役の古田新太が浅野忠信に迫るシーン。
それから、今年観た映画のうち、いまのところマイ・ベスト、
『運命じゃない人』(2004)の主役、
中村靖日の首がいとも簡単にぶっ飛ぶところ。
でも、やっぱり、この作品の決め台詞、「バッカじゃないの」は、
監督、あなたにお返しします。アホッ!
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