『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』のウィルの父親で、
幽霊船に囚われの身となった、“ブーツストラップ”・ビル・ターナーを演じるのは
スウェーデン出身のステラン・スカルスガルド。
彼は『奇跡の海』(1996)や『ドッグヴィル』(2003)など、
ラース・フォン・トリアー監督作の常連です。
余談ながら、トリアー監督と言えば偏屈で有名。
米国に渡ったことがないのにアメリカ三部作なるものを企画。
その第一部『ドッグヴィル』の主演女優でトム・クルーズの前妻、
ニコール・キッドマンが三部作すべてに出演するはずでしたが、
トリアー監督の撮影手法にほとほと疲れ果てて辞退。
第二部『マンダレイ』(2005)ではキッドマンに代わり、
ブライス・ダラス・ハワードが主演しました。
彼女は『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)の監督、ロン・ハワードの娘です。
関係ない話が長くなりましたが、
こんな偏屈監督の映画の常連であるスカルスガルドは
やはり変人にちがいないという気がします。
さて、あんなメイクじゃ、誰がやっているのか
エンドロールを観るまでわからなかった、
幽霊船の船長、デイヴィ・ジョーンズ。
英国出身のオッサン俳優、ビル・ナイが演じています。
彼を見るなら『ラブ・アクチュアリー』(2003)。
すっかり老いぼれてしまったかつての人気ロック歌手、
ビリー役で登場し、私は彼に大泣きさせられました。
友人には「なんであのシーンで泣けるん?」と笑われましたけど、
あれで泣かずしてどうする。大好きな作品です。
エリザベス役のキーラ・ナイトレイも出演していますから、
ふたりまとめてご覧ください。
そのほかの出演作でもビル・ナイはいいオッサンの味。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)では主人公の義父を演じ、
途中でゾンビに囓られて、家族と逃げつつも最後は自分が犠牲になろうとします。
これはゾンビ映画のパロディで、元ネタは『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)。
『ドーン・オブ・ザ・デッド』の主演女優、サラ・ポーリーは
前述のテリー・ギリアム監督作『バロン』(1989)で有名になり、
その『バロン』にはやはり前述のジョナサン・プライスも出演しています。
あ、またもや余談でした。
こうして書き始めると数珠つなぎ的に
なんぼでも話が湧き出てきて止まりませぬ。
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